北朝鮮軍が韓国へ! 安保法制が整ったとき、我々に何が出来、何が出来ないのか
国会では、安保法制の議論が熱を帯びている。政府与党は、自衛隊の海外活動等に関する十五の法律の改正を今国会で目指している。
しかし、どういう事態において、どのような活動を自衛隊が担うのか、その具体的な姿がなかなか見えない。特に、「日本にとって最も現実的な問題」(自民党幹部)とする「海外邦人救出(TJNO)」に関する法改正もなかなか実像が見えてこないと思うのは私だけだろうか。
「邦人救出」は、二年前に発生したアルジェリアでのテロ事件(十名の日本人技術者が死亡)で法改正に弾みがついた。在外邦人が空港や港まで来てくれれば自衛隊が輸送するだけだったものが、二年前の法改正で、大使館などのAA(集合地点〔アセンブルエリア〕)に集まった邦人を自衛隊が警護して、空港や港の「後送統制センター(ECC)」まで陸上誘導輸送できることになったのである。
そもそもは、数年前の朝鮮半島有事の想定から検討されてきた。しかし、いつも大きな問題に直面した。正当防衛でしか武器の使用は認められなかった。
今回の法改正でも陸上誘導輸送を明文化するが、武器使用に制限がなされたままだ。
安全保障に関わる国会議員の中からは不安の声が噴出している。
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source : 文藝春秋 2015年05月号