世界に衝撃を与えた北朝鮮ナンバー2の処刑。
激動する東アジア情勢のなか、日本がとるべき戦略は
十二月十二日、北朝鮮のナンバー2である張成沢・元国防委員会副委員長が失脚、特別軍事裁判で死刑判決を受け、即日執行された――。
昨年末に報じられたこの予期せぬニュースは、世界に大きな衝撃を与えました。その後も、さらなる粛清の可能性など事件の背景をめぐり、様々な情報が飛び交い続けています。あの国の閉ざされた政治・情報空間からしても、実態の把握は容易ではないでしょう。そうした状況下で、この事件の本質を論じるには、新たな視点が必要だと思います。
私は、この事件は、二つの点で大きな意味を持っていると考えます。
第一に、この事件によって、北朝鮮がきわめて不安定な状況にあるのではないか、という懸念が深まったこと。
第二に、それは現在、東アジア・太平洋地域に起きている、数十年に一度のパワーシフトと連動していることです。実は、昨年後半から東アジア諸国で起きた様々な動き、たとえば中国の防空識別圏の設定や韓国の執拗な反日外交の展開、そして我が国での特定秘密保護法成立も、私の考えでは、このパワーシフトが根本に横たわっている。それは日本が二十一世紀をいかに生き抜くかという問題とも深くかかわってくるはずです。
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source : 文藝春秋 2014年02月号