経団連・中西会長入院の余波、ソニーの一人勝ち、ココカラファインを巡る争奪戦、迷走するMTG

丸の内コンフィデンシャル

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★中西会長入院の余波

 財界が俄に騒がしい。5月27日、中西宏明経団連会長が検査入院すると発表、6月5日にリンパ腫であることを公表したためだ。中西氏は今後1~2ヶ月は入院、その後は通院で完治を目指し、復帰は秋になるという。自身も「入院期間や復帰時期は治療の経過をみながら判断する。1日も早く復帰できるよう治療に専念する」とのコメントを出したが、体力的にもハードな役職なだけに、行方を案ずる向きは多い。

 経団連は毎年7月に軽井沢で夏季フォーラムを開く。財界人が一堂に会するため、ホスト役の中西氏が治療を1度抜け出し、出席するのかどうかが焦点の1つ。経団連の久保田政一事務総長は会見で「今朝も非常に元気だったと聞いている。薬の効果があり体調が良くなった」と語ったが、出欠は未定のままだ。

 財界が浮き足立つ理由はさらに2つある。

 1つは「ポスト中西」を考えるべきかどうかという点。「中西さんがフォーラムに欠席ということになれば、治療には時間がかかるというサイン。会長交代も視野に入れなければならなくなるのではないか」(財界関係者)。このため副会長や審議員会メンバーの一部は、目立つ行動を控えているという。

 もう一つはドナルド・トランプ米大統領の来日中の発言だ。日米貿易交渉を巡り早期の成果を求めるトランプ氏は「たぶん8月には我々は何かの発表をできるのではないか」と語った。9000余りにのぼる貿易品の関税条件を詰める作業は容易ではないが、トランプ氏の望みを叶えようとすれば、参院選後に突貫作業をしなければならない。

 その際、経済界の意見が重要だが、「貿易交渉では存在感が飛び抜けて大きく、余人をもって代え難い」(財界幹部)中西氏が不在となれば、政府が米側に安易な譲歩をしてしまう可能性もある。「中西さん任せの脆弱性がモロに出た」。財界周辺からはそんな声も上がっている。

★電機業界の明暗

 2018年度に二期連続最高益を更新したソニー(吉田憲一郎社長兼CEO)が、磐石な体制を固めつつある。6月の株主総会で平井一夫会長が取締役を退任し、シニアアドバイザーに。吉田氏と子会社時代から気心の知れた後輩・十時裕樹専務CFOとのツートップ体制となった。

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source : 文藝春秋 2019年8月号

genre : ビジネス 企業