昨年、寺田稔総務大臣、秋葉賢也復興大臣が政治資金と選挙資金をめぐる問題で相次いで辞任。さらに薗浦健太郎衆議院議員も政治資金規正法違反(虚偽記入・不記載)で議員辞職し、さらに1月12日に有罪が確定するなど、ここにきて自民党の宿痾である「政治とカネ」をめぐる問題が噴出している。
そんな折、昨年12月17日、西田昌司参院議員が記者会見を開いた。西田氏は、自由民主党京都支部連合会(以下、京都府連)会長をつとめる。会見は、筆者が昨年、「文藝春秋」3月号などで指摘してきた選挙買収疑惑についてだ。これまで京都の選挙区から出馬する国政選挙の自民党候補者は府連を通じて、府議・市議などの地方議員に50万円ずつ配ってきた。「文藝春秋」3月号の発売後、当時国家公安委員長だった二之湯智氏が国会で追及を受けるなど大きな問題となったが、西田氏は、この現金配布の形式を変更すると発表したのだ。
「京都府連の選挙買収疑惑は、薗浦氏のような議員個人による違反ではなく、組織ぐるみで隠蔽工作を行っているという意味でも悪質性が高い」(自民党関係者)
今回の会見で、西田氏は現金配付について、京都府連を迂回する形ではなく各選挙区支部から直接支出すると表明。しかし、候補者が地方議員に金を配るという構図に変化はない。
西田氏の記者会見を受けて、「もう金を配る行為自体を止めるべきだ」と断じるのは、元自民党衆院議員の安藤裕氏だ。安藤氏は2012年12月に自民党の公募に応募して京都6区で出馬し衆議院議員を3期務めた。まさに選挙買収疑惑の当事者である。
落下傘候補として京都6区での出馬が決まると、早速、選挙買収の話が京都府連から持ち掛けられたという。安藤氏はこう語る。
「選挙前にN事務局長(当時)から、『とにかく選挙の前に50万円×地方議員5人分、計250万円を京都府連まで振込んで欲しい』という事務連絡を受けました。選挙のためにお金を配ることに疑問を感じましたが、それこそ重鎮の伊吹文明先生(元衆議院議長)や谷垣禎一先生(元自民党総裁)もやっていることですから、我々新人候補者がそれに対して異論を差し挟むことは出来ませんでした」
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