日本の経済の中心地、東京・丸の内。敏腕経済記者たちが“マル秘”財界情報を覆面で執筆する。
★永守会長の後継者!?
日本電産(永守重信会長兼CEO)は1月12日、日産自動車の関潤副最高執行責任者(COO)を次期社長含みで迎え入れた。
関氏は昨年12月1日付で船出した日産のトロイカ経営陣の要である副COOに就任したばかり。内田誠社長兼CEO、アシュワニ・グプタCOOに次ぐナンバー3だ。
グプタCOOは三菱自動車からの転身。内田CEO、関潤副COOは内部昇格だが、取締役会が打ち出した「若返り」の旗印のもと、内田氏が専務からの“飛び級人事”で社長になった。関氏は年下のCEOの下で働くことになったわけで、「面白いはずがない」(日産の元役員)。
永守会長から受けた電話で関氏は決意を固めたとされる。実際、関氏は「私はもう58歳。辞める理由は社長として辣腕を振るいたかったから。それだけです」と話す。
日本電産の創業は1973年。永守氏が一代で売上規模1兆6000億円の企業に育てた。永守氏は常に後継者を探してきた。これまでも多くの候補をヘッドハンティングしてきたが「実力主義」の永守氏は、駄目なら容赦なく切ってきた。関氏もそれは百も承知だ。勝負は2年。結果を出せなければ、これまでの候補の二の舞になる。
永守氏の長男、貴樹氏は日用品雑貨品メーカー、レック社長。次男の知博氏はヘルスケア会社エルステッドインターナショナルの社長。「息子たちは会社に入れない」と明言しているが「永守さんは先々を考えている。ゆくゆくは、会社を孫に継がせたいのでは。だから、今の社長は若い方がいい」(同社関係者)。孫に日本電産を引き継がせる布石も打った。100億円を超える私財を投じて、理事長を務める永守学園が運営する京都先端科学大学に20年4月、工学部を開設。日本で唯一のモーター専門学部を作り、卒業生を日本電産にリクルート。若い戦力にする算段だ。
★クビ寸前冷や汗のサイバー
日本のネット業界の代表格、サイバーエージェント(藤田晋社長)で衝撃の事態が発生した。昨年12月に行われた株主総会で、藤田氏の取締役選任決議が、自身の行使分を除くと過半数を割ったのだ。藤田氏はサイバー社の創業者であり、会社の顔として長らくトップに君臨する。その同氏が株主に実質“クビ”を宣告された。
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source : 文藝春秋 2020年3月号