社長退任秒読みのDeNA、マツキヨが決勝進出!?、楽天と公取とのにらみ合い……

丸の内コンフィデンシャル

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日本の経済の中心地、東京・丸の内。敏腕経済記者たちが“マル秘”財界情報を覆面で執筆する。

★社長退任秒読みのDeNA

 ディー・エヌ・エー(以下DeNA、守安功社長兼CEO)が窮地に陥っている。20年3月期第34半期決算で、約500億円の減損損失を計上、今年度は05年の上場来初の赤字が濃厚になったのだ。頼みのゲーム事業の実績が前期を下回り、のれんやソフトウェアなど事業に関わる資産の減損損失として約480億円の計上を迫られたことが要因だ。業績悪化の責任を取り、守安社長と創業者の南場智子会長は20年2月から3カ月間、役員報酬の月額50%を返納する。

 ゲーム事業を支えてきたのは15年に資本・業務提携を結んだ任天堂(古川俊太郎社長)と協業で提供した「ファイアーエムブレムヒーローズ」や「スーパーマリオ ラン」等のタイトルだ。任天堂は現在、DeNAの第2位株主として南場氏に次ぐ10%強の株式を握る。だが、任天堂とのタッグも効力が切れ始め、昨年9月に配信を始めた「マリオカート ツアー」は期待通りのヒットにはなっていない。ポケモン(石原恒和社長)との共同開発で同8月に配信開始の「ポケモンマスターズ」では運営でトラブルを多数起こす失態もあった。

 ゲーム事業への依存から脱却するため取り組んできた新規事業も冴えない状況にある。18年4月に始めたタクシー配車アプリ「MOV(モブ)」はシェア拡大に向けた先行投資が膨らみ、20年4月に競合のJapanTaxi(川鍋一朗CEO)と事業統合する。仮想ライブ空間サービスを運営する子会社のSHOWROOM(前田裕二社長)も赤字が止まらず、昨年11月に電通(山本敏博社長)など7社に保有株式の一部を売却した。

 今後の焦点は今年6月で就任から丸9年となる守安社長の後任だ。総務省から16年に入社、横浜スタジアムの社長などを経て昨年6月取締役兼COOとなった岡村信悟氏が有力視されているが、八方ふさがりの苦境を打開するのは容易ではない。

★マツキヨが決勝進出!?

 ドラッグストア業界4位のマツモトキヨシホールディングス(HD、松本清雄社長)と同7位のココカラファイン(塚本厚志社長)は21年10月に経営統合する。これにより、売上高1兆90億円、店舗数3053店というメガドラッグストアが誕生し、業界首位に躍り出る。新会社トップにはマツキヨ創業家の松本社長が就く。

 両社を統合に踏み切らせたのは、最終的に生き残るのは、ひと握りの大手だけという危機感だ。松本社長は14年の社長就任前、「業界再編は起こる。数年後には準決勝、決勝になっていく」と語った。ココカラとの統合でマツキヨは決勝進出が決まった。彼らが決勝の相手と想定するのは、イオン(吉田昭夫社長)の子会社で業界1位をツルハHD(堀川政司社長)と争うウエルシアホールディングス(松本忠久社長)だ。

 業界大再編のキーマンはイオンの岡田元也会長。岡田氏はウエルシアの創業者鈴木孝之氏から“遺言”を受け取っているからだ。

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source : 文藝春秋 2020年4月号

genre : ビジネス 企業