★「今だけ、金だけ、自分だけ」――。今月号はこの言葉が偶然にも2本の記事に記されています。緊急特集「日本の食が危ない!」では東大教授の鈴木宣弘さんが、食料自給率が実質10%程度なのに米国から農薬まみれの野菜や遺伝子組み換え作物を大量に輸入しているこの国の農業政策を痛烈に批判しています。
★もう1本は磯田道史さんと徳川宗家19代当主になった徳川家広さんの対談「徳川家康を暴く」。磯田さんは、日本は信長や秀吉時代のような競争社会に向かっており、それは「一歩間違えばブラック企業そのもの」「誠実に働いている人たちが、自分の人生をいいようにされかねない」と。今この国が抱える深刻な状況を象徴する言葉だと思います。
★今月号から定価を1000円に値上げさせていただきます。用紙代の急騰によるものですが、読者の皆様にご負担をお掛けすることを大変心苦しく思います。より一層の誌面の充実をお約束しますのでご理解のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
◇
2023年4月号の「目次」はこちらからご覧ください。下のページが表示されますので、読みたい記事のタイトル(青い部分)をクリックしてください。
source : 文藝春秋 2023年4月号