東芝再建のカギを握る東電、三菱重工の官需への依存体質、ドラッグストア業界再編の前兆、ZHDは人材不足でオジサン化

丸の内コンフィデンシャル

ビジネス 経済 企業

日本経済の中心地、東京・丸の内から、“マル秘”財界情報をくわしくお伝えする

★東芝再建のカギは

 東芝(島田太郎社長)が日本産業パートナーズ(JIP)などの連合による買収提案を受け入れることにした。JIPは7月下旬をめどにTOB(株式公開買い付け)を実施する。TOBが成立すれば東芝は上場廃止となる。

 東芝の混乱が表面化したのは不正会計が発覚した2015年4月のことだ。その後、米原発子会社で巨額損失が見つかり、経営危機に陥る。混乱に拍車をかけたのは17年12月に実施した約6000億円の増資。引き受けたのは複数のアクティビストで、その出身者が社外取締役に就くなどして経営を揺さぶったためだ。

 21年11月、東芝は会社を三分割する方針を発表したが、これにアクティビストは反発した。そこで再建策を二分割に変えたものの、アクティビストはこれも受け入れなかった。今回の非公開化はこうした経緯があってのことなので、TOBに応じるかが今後の焦点と思われがちだが、「アクティビストもさすがに東芝の旨味はここまでと感じている。TOBに応じるだろう」(投資銀行関係者)。

 今後のポイントは、企業価値を大きく損ねた東芝が、果たして再建できるかどうかだ。

 いまの東芝に残されたのは原子力発電に関する技術しかない。原発には沸騰水型原子炉(BWR)と加圧水型原子炉(PWR)の2つのタイプがある。東京電力や中部電力などが保有する原発はBWRで、これら電力会社のプラントの再稼働やリプレースを担えるのは実質的に東芝しかない。岸田文雄政権の原発政策が生命線といってもよい。

 政権の司令塔である嶋田隆秘書官は電力業界で原子力マフィアと呼ばれている。「電力会社とプラントメーカーを一緒にするのが嶋田さんの悲願」(電力会社首脳)。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!

「文藝春秋電子版」は雑誌付きプランが断然お得!! 電子版分は実質無料 今すぐお申し込み

初回登録は初月300円

月額プラン

1ヶ月更新

1,200円/月

初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

900円/月

1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版+雑誌プラン

12,000円一括払い・1年更新

1,000円/月

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
雑誌プランについて詳しく見る

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2023年5月号

genre : ビジネス 経済 企業