スラムダンク、すずめの戸締まり、チェンソーマン……なぜいま韓国で“日本ブーム”なのか?

現地ルポ

金 敬哲 フリージャーナリスト

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世界で韓流ブームを巻き起こし、いまやコンテンツ輸出大国となった韓国で、日本のアニメがブームだという。日本製品不買運動も記憶に新しい隣国で今、何が起きているのか――。ソウル在住ジャーナリスト・金敬哲氏による現地リポート。

 いま、韓国では日本文化が一大ブームになっている。韓国のサブカルチャーの中心地「弘大前(ホンデアプ)」も、これまでインディーズバンドの活動や若者が集うクラブが目立っていたが、いつの間にか“アニ族”(アニメファンの意味)の聖地に変貌している。

 弘大前の映画館で日本のアニメ映画を鑑賞し、日本発のショップ「アニメイト」などでグッズ見物、最後に「アニメカフェ」で作品にちなんだデザートを食べて写真をSNSにアップする――というコースが、SNSで「#弘大前オタクツアー」として話題になっているトレンドワードだ。

ソウルにある「アニメイト弘大店」(筆者撮影)

日本アニメだらけのビルを覗いてみると……

 3月の日曜日、このオタクツアーの中心スポットである「アニメイト弘大店」を訪ねてみた。

 日本最大のアニメグッズショップ「アニメイト」が弘大店をオープンさせたのは2020年4月のこと。コロナ禍の2021年5月には、弘大入口駅近くの一等地にあるショッピングセンター「AK&弘大」に拡張移転した。この「AK&弘大」は、韓国の流通大手・エギョングループが運営するビルだが、現在では、日本のサブカルチャーのテーマパークとなっている。

 アニメイトがある5階は、フロア全体がアニメオタクのための空間。アニメ『ONE PIECE』のショップ、『チェンソーマン』のコラボカフェ、バンダイの「一番くじ」や任天堂のショップなどが軒を連ねる。さらに、日本で人気の和風パスタ店「洋麺屋五右衛門」も入店している。

「洋麺屋五右衛門」も〝聖地〟に出店している(筆者撮影)

 2階には、サンリオのキャラクター「シナモロール」のカフェや、サンリオのキャラクターショップが並ぶ。カフェに入ろうとすると、店員に「開場と同時に今日の予約が埋まってしまいました」と断られた。1階にある東京・池袋が本店の「ばくだん焼本舗」の前にも長い列ができていた。

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