agree to disagree

新世界地政学 第42回

ニュース 社会 国際 中国

 第三次安倍政権の最重要課題は、アベノミクスによるデフレ脱却と日中首脳会談後の日中関係の本格的立て直しでなければならない。

 このうち、日中関係については昨年11月の北京APECに合わせ、両政府は「4項目の文書」を発表、その後、首脳会談を行った。

 文書の3項目目は「双方は、尖閣諸島など東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると認識し、対話と協議を通じて、情勢の悪化を防ぐとともに、危機管理メカニズムを構築し、不測の事態の発生を回避することで意見の一致を見た」と述べている。

 一言で言えば、「東シナ海の緊張」をめぐって双方は、agree to disagree(合意できないことで合意した)であることを双方が認めたということである。

 日中両国は1972年の正常化以降、尖閣諸島の領有権については、「より賢い将来の世代に解決を委ねよう」という「妥協もしなければエスカレートもしない」事実上の先送り策で臨んできた。

 しかし、尖閣諸島を含む東シナ海の緊張は、島の領有権だけではなく、海洋戦略、エネルギー、台湾、歴史問題など複雑な要素が絡みついている。

 問題の根底には、中国の海洋に対する戦略的意思の高まりがある。中国は、東シナ海(と南シナ海)を核心利益と見なし始めている。日本を無力化させ、日米同盟を弱め、米国を西太平洋から退却させる長期的かつ攻撃的な海洋戦略を模索しつつある。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
新規登録は「月あたり450円」から

  • 1カ月プラン

    新規登録は50%オフ

    初月は1,200

    600円 / 月(税込)

    ※2カ月目以降は通常価格1,200円(税込)で自動更新となります。

  • オススメ

    1年プラン

    新規登録は50%オフ

    900円 / 月

    450円 / 月(税込)

    初回特別価格5,400円 / 年(税込)

    ※1年分一括のお支払いとなります。2年目以降は通常価格10,800円(税込)で自動更新となります。

    特典付き
  • 雑誌セットプラン

    申込み月の発売号から
    12冊を宅配

    1,000円 / 月(税込)

    12,000円 / 年(税込)

    ※1年分一括のお支払いとなります
    雑誌配送に関する注意事項

    特典付き 雑誌『文藝春秋』の書影

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2015年2月号

genre : ニュース 社会 国際 中国