中国アジアモンロー主義への対応

新世界地政学 第41回

ニュース 社会 国際 中国

 中国はこのほど、急増するアジアのインフラ需要に応えるためのアジアインフラ投資銀行(AIIB)の準備会合を北京で開いた。ASEAN全加盟国を含む21カ国の財務相が参加し、基本合意に署名した。

 アジア開発銀行(ADB)の試算によると、アジアが2020年までに必要とするインフラ需要は8兆ドルを超える。しかし、ADBは毎年100億ドルを貸し出すことができるかどうか、である。ADBの親銀行である世界銀行は、最大の出資国である米国の議会が増資に応じる気配はない。

 中でもインドのモディ政権はインフラ建設を国家戦略の要に据えている。ここではインフラ資金がいくらあっても足りない。インドがAIIBに加盟したのもうなずけるところである。

 ところが、これまでのところ、米国、日本、韓国、オーストラリアは不参加を表明している。米国と日本はこの構想自体に反対しているのではない。現時点では、留保しているといった方がより正確である。

 彼らは、なぜ、留保するのか?

 ・まず、ガバナンス。1000億ドルの出資金のうち半分以上を中国が占める。これでは中国本位の銀行であり、地域の銀行とは言えない。

 ・次に、透明性。物事がすべて中国の差配で決められるのではないか。意思決定過程を透明にし、それを監視する機能が備わっていない。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
新規登録は「月あたり450円」から

  • 1カ月プラン

    新規登録は50%オフ

    初月は1,200

    600円 / 月(税込)

    ※2カ月目以降は通常価格1,200円(税込)で自動更新となります。

  • オススメ

    1年プラン

    新規登録は50%オフ

    900円 / 月

    450円 / 月(税込)

    初回特別価格5,400円 / 年(税込)

    ※1年分一括のお支払いとなります。2年目以降は通常価格10,800円(税込)で自動更新となります。

    特典付き
  • 雑誌セットプラン

    申込み月の発売号から
    12冊を宅配

    1,000円 / 月(税込)

    12,000円 / 年(税込)

    ※1年分一括のお支払いとなります
    雑誌配送に関する注意事項

    特典付き 雑誌『文藝春秋』の書影

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2015年1月号

genre : ニュース 社会 国際 中国