トランプと日米同盟

新世界地政学 第57回

ニュース 社会 政治 国際

 米大統領選挙予備選で共和党候補のドナルド・トランプが日本叩きを繰り返している。

 批判のポイントは二つある。

 一つは、日本が円安を武器に米国の市場を荒らし回り、一方的に儲けているという点。これとの関連で、TPP(環太平洋経済連携協定)を「米国の製造業にとっては死に至る脅威」と述べ、正面から批判している。

 もう一つは、日米同盟について、日本が第三国に攻撃された場合、米国は日本を守る義務があるのに、米国が攻撃されたとしても日本に米国を守る義務はないのはおかしいとして、日本の“ただ乗り”を非難している。

 1980年代に日本が経済超大国にのし上がったとき、米国内で噴き出した日本“ただ乗り”論と日本異質論の対日攻撃を彷彿とさせる。

 トランプの支配階層に対する偶像破壊的な攻撃に小気味よさを感じ、ちょっとしたトランプ人気に沸いているのは中国国内のブログ世界のようである。中国でも党中央をこんな風にやっつける挑戦者が出て欲しいという願望とともに、トランプの日本叩きは日米同盟の弱体化につながり、ひいては米中の大取引に道を開くのではないかとの期待が読み取れるとマカオ大学の陳定定は指摘している。

 トランプの日本“ただ乗り”論に対しては、共和党内から次のような反論が起こっている。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!

初回登録は初月300円

月額プラン

1ヶ月更新

1,200円/月

初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

900円/月

1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版+雑誌プラン

12,000円一括払い・1年更新

1,000円/月

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
雑誌プランについて詳しく見る

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2016年5月号

genre : ニュース 社会 政治 国際