米大統領選挙予備選で共和党候補のドナルド・トランプが日本叩きを繰り返している。
批判のポイントは二つある。
一つは、日本が円安を武器に米国の市場を荒らし回り、一方的に儲けているという点。これとの関連で、TPP(環太平洋経済連携協定)を「米国の製造業にとっては死に至る脅威」と述べ、正面から批判している。
もう一つは、日米同盟について、日本が第三国に攻撃された場合、米国は日本を守る義務があるのに、米国が攻撃されたとしても日本に米国を守る義務はないのはおかしいとして、日本の“ただ乗り”を非難している。
1980年代に日本が経済超大国にのし上がったとき、米国内で噴き出した日本“ただ乗り”論と日本異質論の対日攻撃を彷彿とさせる。
トランプの支配階層に対する偶像破壊的な攻撃に小気味よさを感じ、ちょっとしたトランプ人気に沸いているのは中国国内のブログ世界のようである。中国でも党中央をこんな風にやっつける挑戦者が出て欲しいという願望とともに、トランプの日本叩きは日米同盟の弱体化につながり、ひいては米中の大取引に道を開くのではないかとの期待が読み取れるとマカオ大学の陳定定は指摘している。
トランプの日本“ただ乗り”論に対しては、共和党内から次のような反論が起こっている。
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source : 文藝春秋 2016年5月号