中国海警(China Coast Guard)が、超大型の巡視船「海警2901」を東シナ海を管轄する東海分局に配属させた。
満載排水量、1万2000トン。規模では、海上保安庁の持つ世界最大級の「しきしま」「あきつしま」(いずれも6500トン)をはるかに上回る。
「地大物博」を崇め、何事も「大きいことはいいことだ」と思いたがる中国だが、超大国へ台頭するにつれ「大きいことは偉いことだ」と相手をにらみつける強面姿勢に変わりつつある。
中国メディアがモンスターと名付けるこの巨大巡視船は、そうした畏怖作戦の一環と見て良い。ハリー・ハリス米太平洋軍司令官は、「体当たり専用」のこの巡視船が「護衛艦のアーレー・バークより大きい」と述べ、注意を喚起している。ちなみにアーレー・バークは9500トン。
尖閣諸島をめぐっては、日中双方とも海上保安庁、海警という法執行機関がそれぞれ、これらの島々が自国の施政権下にあることを示すためのプレゼンス競争をしている。
その過程で、中国のプレゼンス展開は、3-3-2フォーミュラに収斂しつつある。中国側は尖閣諸島周辺の海域へは、毎月3回、1回3隻、それも2時間ほど航行し、日本側の警告を受け、去っていく。双方とも時に海と空の両面での軍事的にらみを相手に感じさせつつ、緊張を軍事化させずに「沿岸警備隊による事態対処メカニズム」を少しずつ積み上げてきた。
そうしたところへ、このモンスターの登場と相成った。
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source : 文藝春秋 2016年4月号