（右から）
慶應義塾大学医学部長　金井隆典
華道家元池坊総務所事務総長　池坊雅史

　2人はよく気が合った。浦高は進学校で、勉強には自信はあった方だが、ダントツは、池坊（旧姓千野）で、模試では全国に名が轟く秀才であった。入学してすぐ、千野から、「金井、3年分の参考書を買って、1年間でやっちゃわない？」と提案され、度肝を抜かれた。当然、私はすぐ断念したが、千野はきっとやり遂げたと思う。

　随分、いたずらもした。ある日、体操界の大スター、コマネチに会いたくて、2人は浦高新聞部員のふりをして羽田へ向かった。帰り道、取材どころか、「たぶん、コマネチの脚だけは見えたよ」と、ほろ苦い思い出もある。千野は東大、大蔵省から華道へ、私は医学の道に進んだ。しばらく交流が途絶えたが、ある日突然、東京の私の元に、「飲みにおいでよ」という電話がきた。「いいよ」と即答、しかし、電話は京都のバーからであった。今も、京都と東京で、家族ぐるみの付き合いが続く。（金井）

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3. 同級生交歓　埼玉県立浦和高等学校　昭和55年卒