角栄が夢の跡「目白御殿」炎上

森 健 ジャーナリスト
ニュース 社会 政治 昭和史

父の没後30年で眞紀子氏が再始動――。だが翌月、角栄のレガシーは灰と消えた

 松が明けたばかりの1月8日、東京は晴天の空だった。15時22分、消防に「ものすごい煙が出ています」と火事の通報が入った。

 現場は文京区目白台1丁目。乾燥した空気の中、大きな邸宅が火に包まれていた。駆けつけた消防車は27台。青空に向かって赤い炎と黒煙が立ち昇るなか、複数の水流があてられた。夕方には延焼は抑えられたが、消火活動は夜まで行われた。

出火当日、一帯は騒然としていた ©山本皓一

 2階建て、延床面積800平米の邸宅は全焼。翌朝、報道のヘリから写し出された邸宅は黒くなった骨組みが残るばかりで、1階を歩く消防隊員の姿が見えるほどだった。

 邸宅の所有者は田中眞紀子元外務大臣(80)。眞紀子氏と夫の直紀元防衛大臣(83)は避難して無事だった。消火中も、夫妻の姿はテレビ報道のカメラに時折映り込んでいた。

 警視庁の調べに対し、眞紀子氏は仏壇の線香が原因と述べたという。

「14時頃、仏壇に線香を上げた。ローソクで線香2本に火をつけたが、ローソクは消した。線香の火が消えたかは確認していない。しばらくすると母屋のほうからガラスが割れる音が聞こえたので、見に行くと炎が出ていた」

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source : 文藝春秋 2024年3月号

genre : ニュース 社会 政治 昭和史