カネで優勝を買うのか。阪神の岡田彰布が突きつけた一言
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私が読売新聞のドンの非を告発する1年10か月前のことである。
念願だった巨人のベースボール・オペレーション・システム(BOS)が2010年1月、ようやく完成した。ヤンキースの研修会で得たノウハウを加え、米国に本社を置くクラウドコンピューティング・サービス企業に構築してもらったシステムである。
しばらくは他球団に知られたくなかったので、「Gシステム」などと適当に呼んでいたが、日本ハムファイターズの3分の1程度の費用で、驚くほど簡単にできあがった。
チームの急激な革新がトラブルの火種になることは予期していた。やがて、それは現実となる。だが、勘に頼らない合理的なチーム編成の武器として、これを更新して進むしかなかったのだ。育成を重視した、晴れ晴れとしたチーム作りの夢が掛かっていた。関西や広島の球場に遠征するたびに、「強奪球団!」とヤジを飛ばされることもなくなるのだ。
問題は、すべてがぶっつけ本番であったことだ。
ジャージーを羽織った「じいちゃん」は背中を丸め、太い腕を組んでいた。しばし考えて、腕組みを解き、やおら右手の人差し指を前に伸ばす。それから太鼓腹の上に手を戻して、
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source : 文藝春秋 2024年10月号