歴代1位の連続出場記録1658回を更新中の40歳、不惑の年を迎えた玉鷲は“土俵の鉄人”と呼ばれている。

「今、若い頃と違って相撲が楽しいんですよ。みなさんもそうでしょ？　若い時は仕事がつまらなく思えても、何周か回って楽しみ方を知る、というのかな」

　巡業先の支度部屋で、「昨日、テレビを観ながら折った」という色とりどりの花の折り紙を見せてくれながら語る。明るくてお茶目な性格で、お菓子作りや手芸が趣味。土俵を離れれば2児のパパでもあり、LEGO作りやお絵描き、公園で走り回って遊ぶのが楽しみなのだという。

「稽古場や本場所、今日みたいな巡業でも、相撲場にいるときは相撲のことしか考えない。一旦離れたら、そこでは相撲をシャットダウンする。スイッチのオンとオフも、長続きの秘訣なのかなぁ」

　元横綱武蔵丸の武蔵川親方が、「玉鷲はマイペースなところがいい。彼は今もこれからも、このままでいいよ」と賞賛していたと伝えると、細い目を見開いて、「え！　本当に？　それは嬉しいなぁ」と少年のような感激の面持ちを見せた。

　巡業先の支度部屋では右隣に、義弟にあたる玉正鳳が布団を並べている。ちなみに先場所での玉正鳳は、東十両四枚目の地位で10勝を挙げ、2025年初場所での新入幕を確実にした。

「オニイサンと一緒に幕内土俵入りするのが夢だったんで、本当に嬉しいです！　間に合いましたよ（笑）。力水を付けるのも夢。うちのお姉ちゃんが玉鷲関と結婚してくれて、ほんっと良かったなぁ〜」

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