怪我に泣く関取衆 根性論より「公傷制度」を

第43回

エンタメ スポーツ
7場所ぶりに土俵に戻ってきた炎鵬 ©共同通信社

 大相撲名古屋場所が約60年にわたり開催されていた愛知県体育館が、移転新築される。名古屋城のふもとにある体育館での本場所も、今年が最後。代わって来年夏にオープンする新施設では、大相撲がこけら落としとなるという。

 この名古屋場所を“準御当地場所”とするのが石川県出身の炎鵬だ。まるで牛若丸のような小兵の業師として人気を博した炎鵬だったが、相手の懐に頭から潜り込む相撲スタイルが禍いして脊髄を損傷し、一時は寝たきりになるほどに。1年2カ月の長期休場となり、番付を序ノ口まで落としたが、この名古屋場所で復帰を果たした。感慨深げに、「土俵に上がれる喜びは何ものにも代えがたい」とその心情を吐露した。思い通りの相撲はなかなか取れずも、結果は6勝1敗。今後も不屈の精神で土俵に上がり続ける。

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source : 文藝春秋 2024年9月号

genre : エンタメ スポーツ