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じつは2011年は医学部合格率95%だった!?

 現代ビジネスの記事を執筆した花房麗子記者によれば「講師陣が熱心であることは間違いない」という。1人1人の生徒に完全カスタマイズのカリキュラムを提供し、12人1チームの講師陣が頻繁に情報交換をして合格へ導こうとしていることは間違いのないことだろう。

 しかし、「その成果の<81%>がどういう意味をもつ数字なのか」、「それにお金と時間をつぎ込む価値はあるのか」は、冷静に吟味したほうがいい。

 ちなみに、「京都医塾」理事長の志村好美氏は、かつて「Top's双ヶ丘学園」という塾を経営していた。「TOPS京都」の前身である。「偏差値30台からでも東大や京大、医学部まで合格させる有名塾」との触れ込みが、2012年の記事に残っている。

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■偏差値30台から東大合格させる学園長が受験必勝5か条伝授
https://www.news-postseven.com/archives/20120124_81927.html

 記事によれば、2011年度の医学部合格率はなんと95%だった。現在の「京都医塾」よりもさらに高い実績。この7年間で、指導力が退化してしまったのか。それとも算出ロジックが違ったのか。「京都医塾」のホームページには「過去13年間医学部合格率82%」という記述もある。「Top's双ヶ丘学園」時代を含めての数字だろう。

 まったく別の観点で、ちょっと気になる記述もある。「私の塾では睡眠不足解消のために、ストレスを取り除いて集中力を高めるといわれる水素水を飲んでから、バスタオルを丸めて机で浅い眠りにつくことをすすめています。水素水の利尿効果で自然と目が覚め、頭がスッキリして集中できると生徒からも好評です」。

「水素水を飲んで医学部に合格しました!」と言う医者には診てもらいたくないと思うのは私だけだろうか。まさかいまは「京都医塾」の生徒に水素水など飲ませてはいないだろうが。