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天皇陛下の車列 選ばれし白バイ隊員しか運転できない“側車”とは――「皇宮警察」を知っていますか?

皇宮警察・齋藤政之皇宮警部補インタビュー

2019/05/01

genre : ニュース, 社会

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毎朝の練習に加え、自主練も

――だからとにかく訓練が必要になってくるというわけですね。齋藤さんも本番がない時期は日々訓練に勤しんでいるのでしょうか。

齋藤さん 基本的に毎朝機動護衛担当が集まって練習する時間があるんです。もちろんそれ以外の時間で自分でも訓練しますし、練習中の若手の指導をすることもあります。ただずっと訓練だけをしているわけではなくて、それぞれ日常的な仕事もあるんですよね。実際の護衛実施に向けた打ち合わせだったり計画の立案だったり、そうした準備も大事ですから。

――準備、つまり車列が走る本番前に現場の道路の状況を確認するようなことも?

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齋藤さん ありますね。道路の幅とかカーブの角度とか、そういうところも事前に把握して準備しないといけません。現地の都道府県警の方との打ち合わせも必須です。そうして万全の準備をして、普段の訓練で運転技術も磨き、それでやっと自信を持って本番に臨める。ただ、不安がゼロというわけではないんです。運転技術は100%の自信を持っていますが、護衛である以上は“いつ何があるかわからない”という緊張感はどこかにないといけません。ですから護衛に集中するために、準備と訓練をしっかりするという感じでしょうか。もちろん点検整備もそのひとつです。

 

――実際に本番の側車の運転ではどのようなことに心がけていますか。

齋藤さん 船に護衛を担当する側衛官が乗っているので、護衛に集中できるような運転をすることが大事です。自分は運転に集中し、船に乗っている側衛官が護衛に集中するという役割分担ができるのも側車の特徴ですから。あと技術的なことをいうと、カーブが意外と難しい。