「地球」のかたちは「球」ではない……「平面」なのだ! 今、地球平面説を信奉する人々が爆増している。アメリカでは、18〜24歳の18%が「地球を球体だと常に思ってきたわけではない」とする調査も出るほどだ。有名バスケット・ボール選手が地球平面説支持を表明したこともあり、授業で球体説を教えて反発を受ける科学教師の悩みも報告されている。

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地球平面説を信じる者の言い分とは

 Netflixで配信されている『ビハインド・ザ・カーブ ─地球平面説─』は、地球を平面だと信じるフラット・アーサー(Flat Earther)を追うドキュメンタリー映画だ。ここで紹介されるメジャーな地球平面説は「ドーム説」。パンケーキのような平らな地球がドームに覆われている状態を想像してほしい。陸地の終点の南極は高い氷壁に囲まれているそうなので、スノードームのようだとも言える。「ドーム説」を信じるフラット・アーサーたちは学校で教えられる「球体説」および「地動説」をNASAや政府が流した嘘と断じる。

 ここで一度、学校で教わることを復習しよう:地球は球体であり、おおよそ時速1,700キロメートルで1日1回転している。フラット・アーサーたちはこれに疑問を呈してゆく。単純に、自分の視界では世界は平らに見える。我々が立つ土地が銃弾よりも速く回っているなんて信じられるだろうか? 海辺や湖では、遠くの景色が見えることがある。本当に我々の惑星がカーブしているなら、見えないはずではないのか?

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 まぁ、これらの理由も学校で教わるはずだが、平面説の支持者は間違いを指摘してくる専門家を嘲笑する。「数字を出してくる科学者の負け。地球が平らなことは見ればわかる」と。

Facebookで20万人以上が加入している「地球平面協会」

 フラット・アーサーたちの主張は荒唐無稽のように思えるが、彼らの勢力の拡大はとどまるところを知らない。Facebookで20万人以上の加入者を誇る地球平面説協会は、イギリスやカナダで国際会議を開催するどころか、南極を目指すクルーズ・ツアーまで行う見込みだ。その規模ゆえに、支持者同士の内紛や色恋が勃発するさまもドキュメンタリーに収録されている。

 たとえば、平面説コミュニティにおいて人気者のパトリシアはCIAの手先だという疑いをかけられる。根拠は名前(PATRICIA)の最後にその3文字が入っているから。陰謀論コミュニティでは、日々新たな陰謀論が再生産されているのだ。誹謗中傷と戦う彼女は「アンチはデマを流してる認識はあるの?」と批判する。それは科学者たちが彼女に言いたいことかもしれないが……。

人気配信者のパトリシア・スティア