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 今回の事件の被害女性はアイドル活動をしていたというから、ファンとのコミュニケーションなどにSNSを活用していたのだろう。それを逆手にとり、モザイクアプローチに利用した被告の行動は本当に卑劣だ。

 では、どのようにして個人情報が特定されてしまうのか、どのような写真や動画の投稿が危険なのか、について述べていこう。

(1)「レシートやマンホール」の写りこみには要注意

 ここ最近のスマートフォン、タブレットのカメラ性能は極めて優れている。超高解像度で撮影され、何気ない写真や動画でも、ズームしてみると写ってほしくないものがクッキリと見えてしまうケースが少なくない。

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©iStock.com

 送り状が貼られたままのダンボール、年賀はがきなどの郵送物などには自宅の住所が記載されている恐れがある。買い物をした際のレシートも、そこに店舗の住所が載っていれば、居住エリアを推測する手がかりになってしまう。また、部屋の間取りや窓に写った景色も、今回の事件で住所特定の要素となったように、危険を含んでいる。 

 さらに、「思わぬもの」が決定的な特定要素になるケースも多い。例えばマンホールや電柱、お店の看板などである。これらは、撮影時にはあまり意識が向きにくいものだ。

 しかし、マンホールには固有番号や自治体名が記載されていたり、その地を表すデザインになっているものもあり、場所の特定要素に満ちている。

マンホールは地域独特のデザインになっているものも多い ©iStock.com

 また、電柱には直接その場の住所が記載されているものが多いし、お店の看板が写っていれば店名をGoogleやYahoo!で検索するだけで容易に撮影場所を特定できてしまう。

 あなたも子供の運動会や、地域のお祭りの写真などを安易に投稿していないだろうか? 写真や動画は情報量が多い。投稿前に必ず確認を行い、アップロードすべきか否かの判断をしよう。