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良記事「赤ちゃんポスト10年」はどんな連載だったか?

 次に注目したのはこの記事。「赤ちゃんポスト10年」

 読売新聞西部本社の入社5年目から15年目の記者3人が担当しているシリーズ。オンラインで読める。

「YOMIURI ONLINE」で読める

 シリーズ第4回目は「先進ドイツ 匿名を懸念」(5月18日)。赤ちゃんポスト先進国であるドイツの現在について。

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《ドイツでは09年、政府の諮問機関である倫理審議会が、出自を知る子の権利を守ることなどを理由に、匿名で託せる赤ちゃんポストの廃止を勧告した。》

 代わりに進められているのが「内密出産制度」。

《母親は、公的な承認を受けた妊娠相談所にだけ実名を明かし、医療機関では仮名で子を産む。生みの親が引き取れない場合、子は育ての親と養子縁組をし、16歳になると、政府に生みの親の身元を照会することができる。14年に関連法が施行され、300人以上がこの制度で出産したという。》

 知らなかった。ドイツはこうなっていたなんて。

 日本でも「匿名で受け入れると出自を知る子の権利を保障できないという重い課題を背負う」のが、赤ちゃんポスト問題のひとつだと識者が指摘している。このシリーズは読売を熟読してよかった。

競馬予想欄も熟読して実践してみた

 次に読んでみたのが「競馬予想欄」である。

 実はスポーツ紙だけでなく一般紙にも競馬予想は載っているのです。スポーツ欄に小さくですが。

 首相が読めと言っているので、競馬欄を熟読するとG1レースでいいことがありそう。

 しかし、「ヴィクトリアマイル」(14日)、「オークス」(21日)とも本紙予想はハズレ。読売で儲けることはできなかったのである。ああ。

第78回オークス、勝ったのはソウルスターリングだった ©時事通信社

読売発「文科省前次官スキャンダル記事」をどう読むか

 さて今週月曜、朝刊の社会面に大きく載ったスキャンダル記事は目を引いた。

「前川前次官 出会い系バー通い 文科省在職中、平日夜」(5月22日)

 これは不思議な記事だった。なぜ、今このタイミングで? 「読売」が書くことに何か意味がある?

 すると翌日の「東スポ」は、「文科省前次官 出会い系醜聞の怪」と題し、「加計学園」絡みで情報合戦が繰り広げられていると報じた。あの「総理のご意向」メモが発端という説だ。なるほど、「読売」を熟読してみたら匂ってきたのである……。25日発売の「週刊文春」では、この前次官の「『総理のご意向』文書は本物です」独占告白記事が報じられたところだ。

 では最後。

 読売を読んでいて「おっ!」と思ったのがこのコラム。

《他紙の社説を読んでみてください。(略)すると各政策や、外国との付き合い方について違いがあることがわかるはず。論調の違いを「各師匠が、自分の信じる正義を日々主張している」と思ってください。そのうえで「この話題に関してはこの新聞のほうに共感できる」「いや、やっぱり読売のほうがいい」と自分も考えればよいのです。》(5月16日・夕刊)

 読み比べの大切さを言っているぞ!「読売」の紙面で、他紙も読んでみることをすすめている。

 あ、これ、私が連載していたコラムだった。

 全4回で夕刊に先週まで書かせてもらったものだ。

 いろんな意見をいろんな角度から読んでみようというのだから「読売」を熟読しているとやはりタメになる。

 以上、自分のコラムをオチにして今週は終わります。

読売新聞 5月16日夕刊より