政府に対する視線も「フェーズが変わった」ことがひしひしとわかる。
「安倍政権ふざけるな!!」と一面(2月29日)でデカデカと書いたのは日刊スポーツだ。日刊ゲンダイではなくて。
怒りの理由が4つ並べてある。
・無自覚 イベ縮小求めた日に首相補佐官立食パーティー
・丸投げ 休校措置の要請翌日 自治体任せ「柔軟に判断を」
・KY 休校費質問に盟友麻生財務相「つまんないこと聞くねえ」
・開き直り 対策本部開かずに21日朋ちゃん誕生祝いに出席
まず秋葉賢也首相補佐官のパーティーだが、共同通信の記事(27日)を読むと次の記述があった。
《秋葉氏は27日、首相官邸で記者団に非公表の東北6県のウイルス検査実績を開催の根拠にしたと説明》
つまり、首相補佐官の立場を利用して「非公表」の情報を活用していたことになる。公私混同である。びっくりする。
公私混同に気づかないのが不思議だが、感覚がマヒしているのだろう。政権の体質がここでも出た。
東スポは秋葉首相補佐官を「クソ側近」と書いた。強烈。やはり潮目は変わったように思える。
「つまんないこと聞くねえ」発言の前日に
次に麻生財務相の「つまんないこと聞くねえ」。当然批判されたがこれ、次の記事を読むとちょっと味わいが変わる。
「肺炎休校、首相独断 『身内』も困惑」(毎日新聞2月29日)
27日夕、首相は記者団を前に一斉休校要請を表明した。記者団が退席した直後、首相の正面に座る麻生太郎副総理兼財務相が口を開き、こう言ったという。
「共働きの家はどうなるんだ」
《急に休校を決めても、自宅で待機する児童の面倒は誰がみるのか。現場の不安にどう対応するのか――。首相の盟友である麻生氏のこの一言は、独断で異例の対応に踏み込んだ首相への苦言だった。》(毎日新聞)
例の「つまんないこと聞くねえ」発言はこの翌日に出た。
麻生氏の発言は、共働きの家庭に支障が出ることや政府の対応を聞かれたあとに出たことを思い起こしたい。つまり自分が安倍首相に問うたことを記者に聞かれたのだ。前日からの流れを読み比べてみると麻生氏がイラッとなった相手は果たして「記者だけ」だったのだろうか?