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両親が東大出身でない家で育った東大生の“ある傾向”

――中野さんご自身が東大に入るまででいうと、女子ということに加え、子どもという立ち位置にもやりづらさがあったとか。

中野 両親が東大出身でない家で育った東大生にはそういう傾向があると感じます。子どものくせに微分方程式を解くとか、普通の大人には気持ち悪がられるんですよね。ご両親に学歴がある家だったら、こんなものかと理解してもらえるでしょうけど。

 私は幼稚園に入って、周りの大人から「何か変ね」と言われるようになったのをよく覚えています。子どもの割に難しい単語を使ったり、知育玩具やドリルを楽しく進めていたりするのにびっくりされたみたいです。お遊戯は嫌いだったなあ。他の子と一斉に何かをしなければいけないということに違和感がありました。そうそう、時事ネタを話して親戚に大笑いされたこともありました。5歳の子がロッキード裁判とか言い出すのは今思えばおかしいよなと思うけど、当時は大真面目に言ったのになぜ笑うのと思った記憶があります。

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©文藝春秋

――ご両親はどんな方なのでしょう。

中野 どちらも短大卒です。取り立てて賢いわけでもないし、ものすごく愚かでもない。父は仕事を転々としていますし、母も何かキャリアがあるわけでもありません。

――教育熱心だったのですか。

中野 むしろ母は、女性が学歴をつけても結婚できないね、と勉強をマイナスに捉えるようなタイプでした。その点、父は無邪気で、入試時期に東大がテレビに映ることがあると「のんちゃんが行く大学だよ」と冗談っぽく言うことがありました。

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 その後、アカデミズムの世界に身を置いた中野さんは、「男性原理の中でキャリアアップしなきゃと格闘していたのは、30代前半まで」と語ります。モテを狙うか、男性原理の中でキャリアアップを狙うかの二択ではない「第三の道」――自らの満足度に重きを置く生き方を模索できるようになるまでに、どのような葛藤があったのか。このインタビューの続きは、「文藝春秋digital」で公開中です。

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