怒りを覚えたら、自分が楽しいと思うことをする
――自分の感情はどのように管理していますか。
どんなプラスやマイナスの感情も心の中に空間を1つ作り、その感情を詳しく描写できるようになるまでそこに入れておきます。過度にプラスあるいはマイナスな気持ちも、時間をかけ、苦しくも楽しくもない境地に到達するまで付き合えばいいのです。
プラスの感情には困らせられることがあります。例えば1つのことに夢中になり過ぎると、他の人が反対した時に受け入れ難く感じます。いったん自分が正しいと思ったら、他人の意見を排除しがちになります。
マイナスの感情は、それを精神のマッサージだと思うようにしています。人にそこを押されると痛いのは、心の中のつかえがまだほぐれていない証拠です。
そんな時、私のやり方はとても簡単です。例えば、私の名を挙げているネットユーザーのコメントや意見で、パソコンをぶち壊したくなるような文字を見ることがあります。でも叩き壊すことはしません。パソコンは高価ですから。
こうした時は、聴いたことのない音楽をかけたり、飲んだことのない味のお茶を入れたりします。これはとても簡単です。2種類の茶葉を1杯のお湯に入れ、少し待つだけで、新しい組み合わせの味が出来上がります。それから気持ちが少し収まるのを待ち、それらの文字のことを考えながらお茶を飲み、初めての曲を聴くのです。
怒りを覚えたら、その感情がまだ心に引っかかっていても、自分が楽しいと思うことをすると、感情がシフトする。それがこの方法のコンセプトです。
それ以降、同じ文字を見たらすぐに「これはごぼう茶とミントティーを混ぜて飲んだ味だ」とか、「あの曲の一節だ」という具合に思い出します。するとすぐに怒りが愉快な気持ちに変わるのです。
この精神マッサージは、その日十分な睡眠を取るだけでよく効きます。目が覚めると脳内に新たに長期の記憶ができており、以降は誰が私に向けてその類の文字を書いても不快に思うことがなくなります。
そうなれば、コメントを残した人に対し、事実に即した対応ができるようになります。もし書き手の文字が誰かのコピーではなく個人の経験からのもので、しかもその人自身の一貫した立場と一致していたら、コメントの中の一部だけを選んで回答し、その他の部分は完全に見なかったことにします。
通常、その方法ですぐにネットユーザーと良い対話ができるようになります。私がいる社会創新実験中心(ソーシャルイノベーションラボ)にその人を招き、一緒に食事やおしゃべりをすることさえあります。