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About Episode 3 : 独学少年

――家で独学するということは、自分1人で学ぶんですか。

 小さい頃、私が独学を始めた時には、まだウィキペディアもなくて、オンラインの『プロジェクト・グーテンベルク』を読んでいました。すべて第1次世界大戦以前のパブリックドメインの本ばかりで、内容に共通しているのは、楽観的だということでした。

 ただ、当時の時代背景は理解できませんでした。例えば、なぜダーウィンは旅に出たのか、とか。ですから後になって、知識というのは文字を読むだけではだめで、グループで研究することで、そうした知識を当時生んだ近代思想、哲学、歴史を知る必要があると分かりました。それで、家の近くにある大学へ聴講に行ったんです。独学する時は、友人がいればみんなで討論できます。ああ、そういうことなんだと思って、その後また本に戻れば分かりやすくなります。

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 自分で勉強することのメリットは、他の人に見つけられないものを見つけられる、ということです。これはとても重要で、そうでなければ付和雷同するだけになります。誰かが言ったことに同調するだけでは、自分がありません。でも、誰かとシェアできることも重要です。

 大学の段階であれば、学習の重点はどの分野を勉強するかではなく、将来どんな問題を解決したいか、どっちへ行きたいかということです。たとえば、空にはもう名前のついた星座がたくさんあるけれど、今後どの方向へ行くかを考えさえすれば、そばにあるすべての星が材料になります。それをつなげれば、宇宙で唯一無二の、自分の星座になるんです。

――今後の実験教育で試してみたいことはありますか。

 実験教育は高等教育に拡大してもよく、そうなればとても面白いと思います。今は文化や空間、世代を横断した学習モデルがあり、ミネルバ大学のように複数の都市にキャンパスを持つ実験大学では、特定の年齢の学生を募集するのではなく、同じ研究テーマに興味がある人たちを共同の学びに向けて募っています。そのため、年齢差が30歳から50歳あろうとも、若者とシルバー世代がクラスメートとなり、共に研究に従事しています。