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「遠方の会場でスタッフに囲まれて…」 “無料”をうたう着付け教室が利益を出すビジネスモデルとは

『着物の国のはてな』より #1

2021/02/08
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「信憑性をチェックするポイントは、サイトの運営元がわかりやすく明記されていること、運営元をグーグルで検索して事業内容を確認することです。ただし調べてみても、何をやっている会社なのかわからないことも多いのですが」

 それでは安心できる着付け教室というのは、どんな条件なのだろう?

 個人的には、講師に販売ノルマがないことは、最重要ポイントのひとつだと思う。しかし、Aさんによると「これについては、会社や本人に訊いても教えてくれないので、受講者が確認するのは難しいと思います」と話す。

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着付け教室選び6つのチェックポイント

 ちなみに染匠株式会社が運営する、きものカルチャー研究所について訊くと「販売ノルマは一切ありません」ときっぱり。これは会社によるのだろうが、結局のところ「ない」と断言できるかどうかが、ひとつのポイントといえるのかもしれない。

©iStock.com

 きものカルチャー研究所では、全国からサイトに集まった苦情や悩み、体験談などをもとに「健全な着付け教室とは何か、追求した結果を教室運営に反映しています」とAさんは言う。

 そのチェックポイントをまとめてみると、つぎのようになる。

 1 受講料の詳細(入会金、テキスト代、月謝、免状料、受験料)を提示

 2 コースの期間やカリキュラムの内容を公開

 3 授業と販売会は別枠で開催。販売会は原則自由参加にしている

 4 特殊な着付け小物の購入を強制しない

 5 手持ちの着物一枚でコースを修了できる

 6 派手な宣伝活動をしていない

 ちなみに「きものカルチャー研究所」は、入会金3300円、月謝7700円(都市部8800円)、授業は月4回・4か月、修了試験無料(合格率90パーセント)となっている。地方と都市部で月謝が違うのは、家賃を反映したものと容易に想像できて明朗会計な印象だ。授業は初等科の場合、マンツーマンから2名程度の個別指導だという。