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 再び校長が立ち、「職員、起立!」と命じた。15、6人の教員が全員立ち上がり、校長が「このたびは本当に申し訳ありませんでした」と言うと、教員全員が頭を下げて口々に「申し訳ございませんでした」と続けた。

「いじめを行ってきたのはN教諭であり、他の教員は関係ありません。それなのに全員に謝罪させるなんて、異様な感じがしました」(父親)

 この後、司会の副校長が「質問のある方は挙手をお願いします」と言い出した。

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 美咲さんの父親は名乗り出て、これまでに分かった事実と学校側の対応を自ら話すつもりでいた。詳細を書いた書面を作成して保護者に配るつもりで、約200部のコピーも準備していた。

「保護者会に向けて校長とは何度も話しましたし、私自身が話すつもりであることを伝えていたのに、保護者会がはじまると副校長はそれを無視したのです」(父親)

 押し問答の末に父親が立ち上がり、これまでのことを約40分かけて話した。最後に、「N教諭を許すことは断じてできません。横浜市の将来の児童のためにも、二度と、子供たちの前に立たせてはいけないと思います」と締めくくると、会場から拍手が沸いた。

他にもいじめられていた児童がいたことが判明

 緊急保護者説明会では、N教諭による他の児童へのいじめも問題化した。

 実は美咲さんが今年2月に初めて両親に被害を打ち明けた時、「他にもいじめられている子がいる。助けてあげて」と言っていた。

 3月17日、美咲さんの母親は他の児童へのいじめについても聞いていた。美咲さんの妹を連れて近所の公園にいた時、クラスの女児3人が近づいてきて、N教諭が配布物を渡す際に美咲さんを飛ばしていることを身振り手振りで説明してきた時のことだ。

「女の子たちは『山本(美咲さん)さん飛ばし』『××さん飛ばし』(他の児童の名前)と特定の名前を使っていました」(母親)

 緊急保護者説明会での質疑応答では、保護者の1人(女性)がこう切り出した。

「(N教諭のいじめの)ターゲットにされたうちの1人の保護者です。今回の校長先生からの説明で初耳だったことがありまして、動揺しています。給食も少なくしていたのですか?」

 この保護者会の後に、「(給食は)僕も少なかった」と親に打ち明けた男児もいたという。また時間割を貰えなかった児童の1人は、母親が知人の保護者に時間割を写メで撮って送って貰っていたことも、美咲さんの両親に伝えられた。