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対局後は鍼灸院で疲れを癒す

――女流棋士になってからも、体力については意識していますか。

加藤 体力もコンディションも考えています。以前は母が栄養面を考えてくれましたが、自分でも食事のことを考えて必要な栄養がとれるように、野菜やたんぱく質を意識してとっています。対局が終わると疲れは残るので、ケアできるよう鍼灸院にお世話になっています。

――西山女流三冠が奨励会三段リーグで次点をとったことがあります。その時は上がってほしいと思いましたか。

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加藤 私が退会後のことで、四段になってほしいと思って見ていました。昇段できることの多い14勝したときは、これは上がったでしょうと思ったので、ダメだったのはショックでした。本人が一番ショックだったでしょうけれど。

――後進の育成という意味では、将来弟子をとることは考えていますか。女流棋士が弟子をとることは珍しいですが。

加藤 それはまったく考えたことはなかったです。けれど、ご縁があれば、弟子はありですね。

子どもたちのためになることは積極的にやりたい

――将棋を指す女の子が増えているのは間違いなく、加藤先生のお父さまが立ち上げてコロナ前まで藤枝明誠高校で行われていた高校女子選抜大会でも、レベルの向上は感じることはあったのではないでしょうか。

加藤 父の尽力でできた大会なので、私も指導対局や前夜祭(参加者交流会)のトークなど毎年参加していました。レベルは上がり過ぎなくらい向上しました。単に競うだけでなく、女子高生同士仲良くなれるように、一度負けても敗者戦があって楽しめるように父が工夫を重ねた大会です。卒業後も長く将棋を続けてほしいという願いがあって、私もそう思っているのですが、最近は、北村桂香女流初段、脇田菜々子女流初段、中澤沙耶女流初段、里見咲紀女流初段などなど、大会で上位に入った女の子が、女流棋士になり活躍するようになってきました。

 昔は居飛車対四間飛車とか限られた戦型しか見ませんでした。それが最近では、角交換四間飛車とか、ゴキゲン中飛車とか、プロの将棋の影響を受けている。様々な戦型に対応できないと勝ち上がれなくなっています。形は変わる予定ですが、今後も大会は続くので協力していきたいと考えています。

――アマチュア大会への協力としては、小学生の全国大会「棋童戦」でテーマソングを歌われました。

加藤 倉敷王将戦の中止で落胆している子どもたちのために新しく作られた大会で、趣旨に賛同し力になりたいと当日の司会と指導対局、テーマソングを引き受けました。父のように将棋の普及に尽力できるかはまだ分かりませんけれど、子どもたちのためになることは積極的にやりたいと思っています。