スマホ依存の人ほどカモになりやすい
「SNSの危険なところは、SNS上に同じようなカモや業者のサクラが無数にいること。これで『みんなやっている』と安心してしまうんです。また、『自分で検索して見つけた』という能動的なアクションが絡んでいるため、業者の仕込んだDMのやり取りや成功例であっても簡単に信じてしまうのです」
ネット上では、興味のある対象に情報が偏り、その他の情報が遮断される「フィルターバブル」も問題視されている。
「その意味で、スマホに情報源が偏っている人、スマホ依存の人ほどカモになりやすい。物事を多角的に検証できなくなっていくので、『みんなやっている』『スマホが真実』と信じ込んでしまう。テレビや雑誌、あるいは知人、友人の話など多様な情報に接すれば詐欺であることは一目瞭然なのに、自分のスマホの中、特にSNSという閉じた世界の中で視野狭窄に陥り、簡単にダマされる。
SNSなどを介して多くの若者が給付金詐欺に手を染めたことが象徴的です。スマホネイティブ、デジタルネイティブと言われる若者は、スマホ依存がゆえに実は情報リテラシーが低い。集団心理に訴える情報操作なども容易になるので、今後、大きな社会問題になるとみています」
「利息は7日で2割、10日だと3割」
コロナ禍でSNS上には「個人間融資」に#(ハッシュタグ)を付けた書き込みが急増したといわれる。実際にTwitterを開けば、「#お金貸してください」「#ブラック対応」といったワードを簡単に見つけることができる。「どこからもお金借りれなくて困ってるブラックの方、大歓迎!」「詳しくはDMまたはLINEまで」「振込まで最短5分」などアピールする投稿もあれば、「利息は7日で2割、10日だと3割」など、公然と違法な金利を掲げる投稿もある。
お金に困った側の人が書き込むネット上の掲示板もある。そこには「緊急事態宣言に伴って、現在まったく稼げていない状況です。どうしても20万円必要です」「コロナの影響で給料が減ってしまって家賃と携帯代が払えません。どなたか助けていただけないでしょうか?」「支払いはご指定いただいた利息で返していきます」といった切実な書き込みで溢れている。