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 借家の契約は半年。新居ができる前にそれが切れてしまう。大家に事情を話し、賃貸の延長を願い出たのだが、相手は頑として首を横に振る。「契約は契約だからきっちり出て行ってもらいます」と冷たくいわれ、途方に暮れていたとき、たまたま世話になっていた当時の区長さんが「うちの離れが空いてるから貸すよ」といってくださり、契約書もなしに小さな別宅に私と老母を住まわせてくれたのだった。

 その区長さんは造園が仕事で、のちに我が家の庭造りでもいろいろとお世話になった。

 翌年、99年の2月にログハウスが完成し、本格的な田舎暮らしがそこから始まったのだった。

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家を借り、買う大変さ

 土地を買うのと同様、家を建築するには大金が必要となる。

 その資金がない場合、中古住宅を購入すれば少しは安くすむ。ただし、すでに他人が住んでいた家だから、多少の傷みは仕方ないとして、暮らし始めてみれば、あれこれと不具合が見つかることが多かったりする。

 さらに予算を切り詰めたければ、家や部屋を借りることだ。

 借家の良さは、いつでも引っ越せるということに尽きる。だから本格的な移住前の仮住まいに使うことも有効だろう。

 ひと頃流行したように、古民家を借りて暮らしてみるのもいい。

 むろん中古物件としての古民家もおもしろそうだ。

 借家は毎月の家賃という負担があるし、いつまで払い続けても、その物件は自分のものにならず、あくまでも他人からの借り物だという事実は変わらない。集合住宅ならば、隣人や上下の部屋の生活音などが気になることもあろう。また、本人が気をつけていても、他人の部屋が火元になって火災が発生するということもある。

 家や部屋の改造は基本的にできない。くみ取り式トイレがいやだから水洗式にしたいといってもダメだったりする。またペット禁止だったりと、いろいろな条件がつく。

 だったらローンを組んででも、中古の家屋を買うほうがいいという人も多い。

 中古物件を買う場合、たいていは不動産業者が仲介に入る。速断は禁物である。いろいろな物件を繰り返し見て、周囲の環境などを調べ、雨漏りや立て付けの不具合はないか。日当たり、風当たりなどをちゃんとチェックすることだ。

 借家や賃貸住宅の場合は不動産業者や空き家バンクのように市町村の担当からの紹介を利用するのもいい。いちばん理想なのは現地に暮らしている知人からの紹介だが、そういうチャンスはなかなかまれだ。

 家を新築する場合、まずは建築会社の選定から始まる。

 土地の下見を繰り返すように、いろいろな会社を訪問し、その会社が作った物件を見て回ることだ。実際に住んでいる人にもいろいろと話を聞く。

 建築会社を決めたら、自分が住む家の間取りや設計を考える。

©iStock.com

 ツーバイフォーや在来軸組工法などのような一般的な家屋にするか、あるいは丸太組工法であるログハウスや、その発展型であるポスト・アンド・ビーム、ティンバーフレーム工法といった建築もある。