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「上場会社の社長が公人と言われると、かなりグレーだと思います。公人性の意味では僕は社長として出演していたつもりはないので。慶應大学の教授、識者としてコメンテーターをやっていたつもりです。自分では使い分けていたつもりでしたが、他人はそう見ていなかったということが、今回の不適切な発言に繋がった」

――規制改革推進会議の議長という立場につけば、夏野さんにも利益誘導だと指摘があるかもしれない。

「オンライン教育に関していえば、もし利益誘導したいんだったら、規制改革しない方がいい。しない方がN高は発展します。(立場を)完全に切り分けしており。注意というか、頭にないです。利益誘導なんて怖いこと考えない。毛頭なかったです」

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“貧困者への辛辣な物言い”の真意は?

 夏野氏の問題発言はいまに始まったことではない。彼のツイートは、長年にわたって「差別発言」ではないかと問題視されてきた。

「そもそも生産性が低い人が在宅(勤務)だとさらに生産性が低いと感じるのだからほとんど仕事してないのでしょう。解雇規制を緩和すればこういう人から解雇できるから生産性は上がるよなあ」(2020年7月19日)

「あと、言いにくいが、税金払ってない人の二倍の投票権を税金払っている人に与えていいと思う。どちらにしろ東京の人の票の重さは鳥取の半分以下だし。最高裁も(一票の格差は)二倍までいいと言ってたらしいしね」(2012年6月22日)

ツイッターで謝罪

 時の政権への擁護とも受け取れる発言にも疑問の声が出たことがある。

「(入院中の安倍)首相が仕事をしているかどうかを“一般ピープル”の目線で見るのは大間違いだ。そういう批判をしているヤツはいい加減にしろ、選挙権を一度返上しろ、と言いたい」(2020年8月23日、現在は投稿削除)

 この発言のように、過去のツイートを振り返ると、貧困者への辛辣な物言いが多く散見される。夏野氏に真意を尋ねた。

「2010年代前半ぐらいは、ちょっと過激に書くツイートが喜ばれるというか、サポーターが増えるという傾向があったのは事実です」

「文藝春秋」11月号および「文藝春秋 電子版」では、「夏野剛は何者か」と題したレポートを掲載している。本人インタビューに加えて、夏野氏の母親、KADOKAWA会長の角川歴彦氏も取材に応じ、夏野氏の人物像について語っている。

文藝春秋

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夏野剛とは何者か