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《ベスト1位は警察庁、ワースト1位は…?》「日本の情報公開は不開示ばかり」スクープ連発“開示請求の鬼”が語る、省庁別“黒塗りランキング”

《ベスト1位は警察庁、ワースト1位は…?》「日本の情報公開は不開示ばかり」スクープ連発“開示請求の鬼”が語る、省庁別“黒塗りランキング”

note

日本の総務省も海外の制度を見習ってほしい

――公的機関への情報開示請求と言えば、“黒塗り”された資料のイメージがつきものです。日本の情報公開制度でやりにくい点はありますか。

WADA アメリカには情報自由法という法律が日本より遥かに前から存在し、現在も非常に制度が進んでいます。かつては「存在を知られてはいけない」とまで言われたNSA(アメリカ国家安全保障局)にも、情報公開のセクションがあり、ホームページに「情報公開はこちらから」と明記されています。

 日本のように印紙を貼って郵送で…などという面倒な手続きはなく、インターネットからクレジットカードで支払って開示請求ができます。ジャーナリストへの割引もありますね。

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 海外の制度は、日本の総務省も調査しています。ですが、調査するだけではなく、見習ってほしいところです。日本は省庁によっては、黒塗りや不開示の割合が非常に多いので、もし一般の方が「気になる情報を調べたい」と思ったら、「多少無駄が生じても範囲を広く請求する」ことがコツですね。

お互い本名も知らなければ顔も知らない「開示請求クラスタ」

――「開示請求クラスタ」の実態は謎に包まれています。どのように活動しているのでしょうか? WADAさんのルーティンも教えてください。

WADA メンバーそれぞれが官公庁に開示請求を行い、Slackで情報共有をしています。スクープになりそうなネタがあれば、ツテのある報道機関に投げてみたり、各自Twitterでつぶやいたり、noteに書いたりしています。なんとなくどこの自治体を誰が調べるか、という担当はありますが、厳格に決めているわけではないです。

WADAさんのTwitterアイコン

 そもそも組織といっても、ネットで集まった同志ですので、お互い本名も知らなければ顔も知りません。普通の社会人もいれば、大学院生の方もいらっしゃいます。私自身、毎日10~18時は働いていますし、皆さん専業でやっている訳ではありません。

 私は大体仕事から帰ってくると寝てしまいますので、夜中に目が覚めた時にTwitterを眺めて、気になったことをまとめて請求する文書を作ってしまいます。それから朝、出勤前にポストに入れて完了です。私の場合はTwitterでネタを集めることが多いです。別に片っ端から政治家をフォローしているわけではないです。アンテナの張り方はメンバーそれぞれだと思います。