自民党総裁選で最も株を上げたと言われる高市早苗衆議院議員。安倍晋三元首相から強力なバックアップを得て支持を広げ、政策面では、保守派の政治家らしく「男系男子による皇位継承維持」を訴えた。

 一方、天皇家の長女愛子さまが成人を迎えたこともあり、世論調査などでは、女性天皇待望論が高まりをみせる。岸田文雄総裁のもと党三役の政調会長に就任したばかりの高市氏に、ノンフィクション作家の石井妙子氏が「女性天皇」をテーマにインタビューした(「文藝春秋」1月号掲載)。

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高市早苗氏

「よく『男女平等だから』といった価値観で議論をなさる方がいらっしゃいますが、私は別の問題だと思っています。男系の祖先も女系の祖先も民間人ですという方が天皇に即位されたら、『ご皇室不要論』に繋がるのではないかと危惧しています。『じゃあ、なぜご皇族が特別なの?』という意見も出てきてしまうかもしれません。そういう恐れを私はとても強く持っています」

 高市氏は、男系によって皇統が維持されることが大事だという意見だが、女性天皇についてはどう考えているのか。女性天皇には、父親が天皇である男系の女性天皇と母親が天皇の女系の女性天皇がいる。

――天皇は天皇の子孫であることが重要で、男性でも女性でも同等に尊いとは考えられないでしょうか。

「私は女性天皇に反対しているわけではありません。女系天皇に反対しています。女性天皇は過去にも推古天皇をはじめ八方(人)いらっしゃいましたが、すべて男系の女性天皇(天皇が父)です。在位中にはご結婚もなさらず、次の男系男子に皇位を譲られた歴史があります。男系による皇位の継承は、大変な工夫と努力を重ねて連綿と続けられてきたものであり、その歴史と伝統に日本人は畏敬の念を抱いてきました」

 高市氏が男系男子にこだわる背景には、天皇には「体力」も重要だという考えもあるという。