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お別れをしていただく時間を大切にしたい

――納棺師としてのやりがいはどんなところでしょうか。

おくりびと青木 人によって亡くなる場所は違うと思いますが、例えば、老人ホームだったり病院で亡くなった場合、それぞれ看護師さんや老人ホームのスタッフさんがメイクをして下さるんです。

 それでも口や目が開いていたり、顔や体が曲がっていたりする方に対しては、そこまでの技術とか時間が割けなかったりするので、どうしてもその状態のままになってしまうんですよね。

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「お笑い芸人」兼「納棺師」のおくりびと青木 ©文藝春秋(撮影・宮崎慎之輔)

 そんな時に私たちみたいな存在が少しお手伝いをさせていただくわけです。目を閉じて、口を閉じて、メイクをして、生前のような自然な状態にする。そのお手伝いをすることでご遺族様が心から泣いていただけたり、悲しみの時間を作っていただけたりするんです。

 そんな家族の方が泣いて喜んで下さったりするのがやっぱり一番のやりがいなのかなと思いますね。やっぱりお葬式の場だと皆さん緊張してしまうみたいなので、少しでも泣いてもらったり、お別れをしていただく時間を大切にしたいなと思っております。

お笑い芸人として売れたらそれが一番

――おくりびと青木さんとしての今後の目標はなんでしょうか。

おくりびと青木 やっぱり今のところ、“納棺師”や“おくりびと”はまだまだ知名度が低いと思っているんです。知名度を上げるために普段から老人ホームや高校に講師として伺って、こういうお仕事があるんですよとか、こういう技術があるんですよ、などと教えさせていただいているんですね。それをもっと広くやっていって、楽しく皆さんに覚えてもらえるような講演会をやっていけたらなと思っています。

――ご両親としては葬儀会社を継いで欲しいということでしたが、お笑い芸人は今後も続けていかれるのですか。

おくりびと青木 まだまだお笑いをやりたいので、芸人を辞める気は全くないです。お笑い芸人として売れたらそれが一番いいんですけどね。どんなタイミングがあるかわからないので、もう少し続けさせていただきたいなと思っています。

 あとはこの芸能界で、お葬式を活かしている方はあんまりいないと思うので、そういったお葬式の話を芸人らしく伝えたいですね。

実家の葬儀会社に勤務するおくりびと青木 ©文藝春秋(撮影・宮崎慎之輔)

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