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三浦 仕事ができる男ほど浮気する、とかそういう話ではないと。ある特徴があって、それがその人の欲望の種類を変えてしまっていることがある。

中野 そうそうそう、そういう脳のあり方で「ばらまく」タイプの不倫もあれば、あるいはそうではなくて、家庭で居場所がないから癒やされたい……みたいなタイプだったり、1人に対してずぶずぶはまっていくような不倫というのもあるでしょう。ただ、不特定多数の人とたくさん性的にアクティブというタイプは、ちょっと機序が違う。

三浦 今思ったのはね、そういう派手に恋愛する芸能人が時々報じられたりしますけど、芸能人ってそもそも、相当自分のことが好きじゃないとできないと思うんですよ。成功している人であればあるほどね。

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中野 それはそうかも。

三浦 自己愛が際立って強い人は、私の感触からすると、いわゆる純愛と見なされるような、ひたすら相手に尽くすような恋愛との親和性がない人もけっこう多いんではないかと。早い話が恋愛を気軽に「楽しむ」ことができちゃうのかもしれない。楽しむだけならいいんでしょうけれども、実際に不倫が報じられるってことは、大方の場合、「被害者」が存在するからですよね。プライベートな話って、誰かが告発しないと載りませんから。他のタイプの恋愛はなかなか週刊誌にすっぱ抜かれるような派手な話にはならないんじゃないか、と思うんですよね。

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 誰が誰と何をしようがいいんですけど、清潔感みたいなことも大事なのではないかという気がします。ワンナイト・アフェアと言っても、避妊対策をしてるのかと。「ちゃんとしとけ」と思いますもの。

中野 そこで大分印象が違いますよね。

「稼ぐ人」は「ばらまく人」か

三浦 「ばらまく」タイプの人っていうのは、そもそも欲望の量が多いというよりは、それに快感を感じるという作用機序になっちゃっているんでしょうね。同じ人間でも、テレビに出るようになるとか政治家になるとかだとちょっと変わりますし。

中野 それはどういう意味で?

三浦 注目や、パワーの源が手放せなくなるというか。プレッシャーが大きいし、それを1人で背負わなければならないからかもしれない。株のトレーダーみたいな瞬間的判断の連続も、同じようなストレスなんでしょうね。そのはけ口を求めるというのはあるのかなと。

中野 そうか、それは。

三浦 リスクテイクに向いている脳であるとかそういう面もきっと関わっているんでしょうけど、でも、それがすなわち浮気性につながるとも言えない部分がある。

 恋愛にはリスクを取らない人も多いじゃないですか。うちの夫なんかは完全にそういうタイプだと思いますよ。投資で様々なリスクテイクはしているから、プライベートでリスクなんか取りたくない。そういう人もけっこういるんじゃないですかね。