実際、アメリカでもクソ投稿はトロールの手法として知られており、ロシアとその影響下にあるグループはインターネット・ミームを利用したトロールを積極的に仕掛けていた。それが今回、逆にロシアに対抗してウクライナの側で使う集団が現れた、というのが客観的な見方だろう。
現在、NAFOやFellasの活動は大きな注目を集めている。特に前述のウクライナ国防省アカウントのツイート以来、海外では研究者やジャーナリストによる言及も盛んになっている。調査報道集団べリングキャット創設者のエリオット・ヒギンズも、クソ投稿を通じて偽情報に有機的に対応するオンラインコミュニティの事例として、対偽情報カンファレンスでの基調講演で紹介すると表明している。
Not even as a bit, but as an example of online communities organically responding to disinformation from governments and counterfactual communities via shitposting. Plus it's good for morale.
— Eliot Higgins (@EliotHiggins) August 30, 2022
国家による偽情報に対抗する一手段となるのか
さすがにここまで来ると、過剰評価もあるのではないかと疑いたくもなるが(実際に効果についての研究は待たれるだろう)、いずれにせよ戦争の当事者の一方が、柴犬を積極的にイコンとして取り入れようとしているのは確かである。
この柴犬の兵士達、一過性のムーブメントで終わるのか、はたまた国家による偽情報に対抗する一手段となるのか。現時点では不明確な部分も多い。しかし、現在行われているNAFOの活動も21世紀の戦争の一側面なのだ。すごい時代になってしまったなあ。