青山学院大の総合優勝で幕を閉じた第94回箱根駅伝。しかし、語るべきは優勝争いだけではない。細かいエピソードも楽しめるのが箱根駅伝の奥深さだ。レース直後に集まってくれたのは、駅伝好き集団「EKIDEN News」(@EKIDEN_News)の西本武司さん、駅伝マニアさん、ポールさん。毎年、全区間現地で観戦し、『あまりに細かすぎる箱根駅伝ガイド! 2018』も監修した彼らが、TVを見てるだけじゃわからない“細かすぎる名場面”を語り合う。(全2回 「復路編」も公開中)

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【1区】中央・舟津の「バッチリっす!」に感動

西本 まずは1区の名場面ですが、やっぱり僕は中央大学の舟津彰馬選手。2016年に1年生でキャプテンを務めたのですが、予選会を突破できず涙ながらに挨拶に立った選手です。年末に「文春オンライン」でやった座談会「今回の1区は見逃せない。スタートから泣ける――ディープな箱根駅伝座談会 #3」でも注目選手として挙げていたのですが、当日に区間変更などがあるのが箱根駅伝。実際エントリーの発表があるまで、本当に1区を走るのか不安だったんです。今回も東京大学の近藤選手がインフルエンザにかかってしまい、当日エントリー変更などもありましたからね。スタート前の大手町を、アップをしているであろう舟津選手の姿を求めてさまよっていたところ、向こうから全力で走ってくる舟津選手を発見! 「おはようございます!」と挨拶をしたところ、スピードを落とすことなく、サムズアップして「バッチリっす!」と応えてくれた。ここで涙腺崩壊。僕の箱根駅伝はすでに終了した、と言っても過言ではないほど感動しました。

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マニア 僕はやっぱりアンパンマン号(選手と並走しツイッター上で話題になったアンパンマンの顔した車)ですね(笑)。現地にいるときは全然気づかなかったんですよ。だけど、後で写真を見直したら、やっぱり写っていました。

意外と目が恐い「アンパンマン号」

西本 自分が初めて箱根駅伝を現地で見ようとしたときのことを思い出しました。車で先回りしたら早いんじゃないかと、横浜・保土ヶ谷から車に乗り込んだところ、ちょうどパトカーとパトカーの間に挟まれまして……。結果、ず~っとパトカーに挟まれて移動することになり、何も観戦することができなかった。箱根駅伝は車で見に行くものじゃない。「アンパンマン号の教訓」と言ってもいいでしょうね。

 あとは東洋大学の西山和弥が、「フォームがキレイだね」と、スタジオ解説の大迫傑選手(早稲田→オレゴンプロジェクト)から褒められた件も記憶に残りますね。褒められた西山が、恐れ多すぎて後ずさりをしてました。