2022年(1月~12月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。事件部門の第5位は、こちら!(初公開日 2022年7月22日)。
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帝王切開をするために全身麻酔をかけられる妊婦。薄れていく意識の中で、目覚めた後の我が子の姿を楽しみに幸せな気分だったろう。しかし、女性が意識を失ったことを確認した麻酔科医は突如ズボンを下ろし、自らの陰茎を女性の口に突っ込み自慰行為を始めた――。
分娩室内で帝王切開手術中に“性犯罪”
耳を疑うような性犯罪が起きたのは、ブラジルのリオデジャネイロ州沿岸部に位置するサン・ジョアン・デ・メリチ市のとある病院。被害者は50人規模とみられ、ブラジル国内ではセンセーショナルな報道が続いている。
現地時間の7月11日未明、本来犯罪とは無縁なはずの分娩室内において、麻酔科医が強姦容疑で現行犯逮捕された。大手紙国際部記者が解説する。
「通報を受けた現地警察は、現場となったエロネイダ・ストゥダルチ女性病院の分娩室に乗り込み、出産に立ち会っていた男を逮捕しました。逮捕されたのは麻酔科医のジオバニ・キンテラ・ベゼーラ容疑者(32)です。
警察官から『犯行の一部始終を捉えた動画が存在する』と知らされたベゼーラ容疑者は大人しく連行されたようです。ベゼーラ容疑者には8~15年の実刑が下る可能性が高いとみられています」
新たな生命が誕生する神聖な場所で、なぜ事件は起きたのか。
ベゼーラ容疑者の悪行に気が付いたのは看護師たち
現地紙『オ・グロボ』などによると、ベゼーラ容疑者は麻酔科医という立場を悪用して通常では考えられない量の麻酔を投与。被害女性の意識を完全になくすことで犯行を可能にしていたようだ。一般的に帝王切開をする場合は、子供が生まれた瞬間を妊婦が感じ取れるよう、局所麻酔で済ませることが多い。それは日本でもブラジルでも同じだ。
同紙には、捜査を担当するバルバラ・ロンバ警部のこうした見立てが報じられている。
「麻酔の投与量は麻酔科医に一任されており、分娩室にいた他の医師たちは、多量の麻酔が別の目的で使われていることに気づけなかった」
ベゼーラ容疑者の悪行に気が付いたのは看護師たちだ。