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自己肯定力の弱さを支える

 SNSの発達も、ほめる技術の需要増に関係しています。

 知人がアップした記事に対して「いいね」のボタンを押すのが当たり前。互いに「いいね」をすることが人間関係における“プラスマイナスゼロ化”、貸し借りの相殺で「いいね」がなければ落ち込み、「いいね」をしてくれない人をマイナス評価してしまう、そんな時代です。

 どうも私たちは、自分で自分に自信をもつことができず、自己肯定力が弱くなっているようです。他者の承認を強く求める人が、増えているのです。

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 昭和の時代には、「お前は何をやっているんだ!」「辞めちまえ」「親の顔が見たいよ」といった雑でお決まりの罵声が、会社でも学校でも当たり前のように飛び交っていました。

 そういう言葉を浴びせられた側も、聞いている側も特に驚かない、ある意味ワイルドな時代だったのでしょう。平成の時代には、このような表現は人を傷つけるという意識が社会で共有されるようになり、言葉遣いは次第にソフトになりました。

 こうした傾向は、大学で授業をしていても強く感じられます。

 以前は人目などまったく気にしない生徒が多かったものですが、今はそういう生徒はまずいません。自分がどう評価され、他人にどう見られているかに、非常に神経質です。見ていて心配になるほどの過敏さです。こうした時代の傾向を変えるのは、なかなか難しいものがあります。

 では、どのように対処すればよいのでしょうか。

 まずはとにかく相手をほめて、自己肯定力の弱さを支えてあげる必要があります。

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ほめるにも鍛練が必要

 ほめれば、モチベーションが上がり仕事も学習も効率が良くなり、人間関係も自然とうまくいくようになります。こうしたやり方を、「ほめるべきではない人をほめるのか」と問題視する人もいますが、現実的に世の中の空気は、「ほめられないとやる気が出ない」になっているのです。

 これまでの人生で一度も誰かをほめたことがない、ほめ言葉を安売りしたくないという人もいるかもしれませんが、今はもうそんな時代ではありません。

 ほめるのが苦手だと、人間関係を構築していくうえでマイナスになるだけです。