「眞子さんが学習院に進学していれば……」

 関係者からは、そんな嘆きに似たような声が聞こえてきたことも。学習院OBOGにとって、2021年の小室圭さんと眞子さんの結婚が、手放しで喜べるものではなかった理由とは?

 昭和女子大現代ビジネス研究所研究員の藤澤志穂子氏の新刊『学習院女子と皇室』より一部抜粋・再構成してお届けする。

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学習院関係者たちは、なぜ眞子さん・小室圭さんの結婚報道に複雑な思いを抱いたのか? ©JMPA

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 筆者が『学習院女子と皇室』を執筆するきっかけになったのは、この数年の皇室、特に秋篠宮家を巡る報道を目にしたことでした。より正確に言えば、そうした報道を目にした学習院大学の同級生、同窓生の声を聞いたこと、という面が強かったように思います。

 筆者は曾祖父、祖母、母と数えて四代目の学習院卒業生であることから、OBやOGの友人、知人が多くいます。

 本来なら祝福ムード一辺倒になりそうな小室眞子さんの結婚だったのですが、世間一般と同様、学習院OBOGの反応もいささか複雑なものがありました。

「眞子さんが学習院に進学していれば……」

 よく聞こえてきたのは、眞子さんが学習院に進学していれば……という嘆きのような声でした。ご本人たちからすれば大きなお世話かとも思うのですが、学習院の同窓生ネットワークで、何とか眞子さんをお守りしたかったという、いわば身内意識というか「親心」にも似た思いからくる嘆きです。学習院関係者の間には、皇族の皆さまに対し、こうしたシンパシーを持つむきが実は多いのです。

学習院大学 ©AFLO

 2017年9月の婚約内定会見当時の圭さんの職業「パラリーガル」は、法律事務所で弁護士の補佐をする事務職員で、年収はそう高くありません。当時の圭さんの、働きながら経営大学院にも通うという状況は、弁護士を目指すのか、他の道を行くのかも“外野”から見れば不透明でした。筆者には将来の目標が定まっていないように見えました。

 そうした20代男性が、大学同窓の女性と結婚するなら、普通は共働きを考えるでしょう。もしくは男性が弁護士になってから結婚に踏み切るか。

 もちろん収入の多寡は結婚の条件ではなく、勢いのままに結婚するのも悪いことではありません。親の支援に頼ることもあるでしょう。ですが、それは一般国民の場合であって、さすがに皇族の場合、そうはいかないというのが常識的な見方ではないでしょうか。

 ところが、当時のお二人には、いかなる人生設計があったのかがわかりませんでした。