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長距離移動のために準備すべきもの

 渋滞の有無にかかわらず、車での長距離移動はドライバーや同乗者にとって少なからず負担になる。ルート面の対策だけではなく、車内で長時間過ごせるよう十分な用意をしておきたい。

 凝固剤入りの携帯用トイレは必携として、ビニール袋やウエットティッシュなども何かと役に立つ場面が多い。また災害対策の意味も込めて、非常用グッズが一式揃った車載用セットを常備しておくのもよいだろう。その他、水分や軽食、眠気覚ましや酔い止め薬などもある程度余裕をもって準備しておきたい。とくに水分はエコノミー症候群などを避けるうえでも重要だ。

 渋滞中の退屈を紛らわすための用意も大切である。一人のドライブであればラジオやポッドキャストなど、車内に誰かの話し声があると気分も晴れやすい。家族連れであれば、子どもが好きな映像作品などをなるべく多く再生できるようにしておきたいところだ。

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 何であれ、目の前の渋滞に意識が囚われ、車内の会話が「進まないなぁ」ばかりになってしまうのは避けたいものである。その意味では心理テストなど、意識を車内の相手に向けられる遊びもよいだろう。

 渋滞から意識を逸らすには、何かしら執着の対象を見つけるか、空想や想像を働かせるのが効果的である。前者はたとえば車のナンバーから四則計算で10を作ったり、スマホのストップウォッチで画面を見ずに30秒ちょうどで止めたり(ドライバーは参加できないが)などである。後者については、連想ゲームや大喜利のほか、ウソや架空の話を取り入れた遊びが考えられる。

「他車にブレーキを踏ませる運転」が渋滞の原因に

 一般に、渋滞の発生は混雑によるものであり、「個々のドライバーにはどうしようもないもの」と考えられている。もちろんその通りではあるのだが、一方で「渋滞を悪化させる運転」があることも確かである。

 基本的に、自然渋滞は「ブレーキの連鎖」によって生じる。とりわけ「サグ部」と呼ばれる勾配が上りに切り替わるポイントにおいては、気づかないうちにスピードを落としてしまうドライバーが多く、徐々にブレーキの連鎖を引き起こし、渋滞が発生してしまう。

 渋滞多発地点にはこのサグ部がつきもので、東名の大和トンネルや、関越の高坂SA、中央道の相模湖ICなど、悪名高いポイントにはことごとく「いつのまにか上りになっている」という区間がある。こうしたサグ部には、勾配変化を知らせる表示や、加速を促す表示があるので、意識してアクセルを踏んでいきたい。

 サグ部のほか、近すぎる車間距離も渋滞の原因になる。とくに避けたいのは「スペースを潰す運転」だ。先の状況を考えずにアクセルを踏み込み、前が詰まれば急ブレーキ、頻繁な車線変更によって追い抜きを繰り返す……このように空いたスペースへとグイグイ入り込んでいく運転は、本人としてはスムーズに進んでいるつもりでも、他車のブレーキを誘発してしまう。