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「泣いたりもしました」コンビなのに全く喋れなかった時期も…南海キャンディーズ・しずちゃん(44)が明かす「山ちゃんとの不仲時代」

南海キャンディーズ・しずちゃんインタビュー #1

2023/09/09

genre : エンタメ, 芸能

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しずちゃん それまでは部活をやっていたりして、そういうモヤモヤを体を動かすことで発散できていたんです。でも、短大に入ってからは運動も何もしなくなって、自分が嫌だと言うくせに先へ進む努力もしていなくて、そんな自分のことも嫌いになったりして。

 就職をする気もなかったし「将来どうやって生きていくんやろ」っていうのもそこに加わって。体が大きいことをいくら考えても変わらないからしょうがないのに、ずっとそのことで悩んでいました。

「体が大きいこと」がプラスになった

――今はそういう感覚はないですか?

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しずちゃん そうですね。芸人になってからは体が大きいことが生かされていて「ちっちゃかったらどうなってたんやろう」って思うぐらいなので。ボクシングにしても、大きくなかったらミドル級でオリンピックを目指そうとは思わなかったですし。

――芸人としては体が大きいことで目立ったり、そのことで笑ってもらえたりするので、どちらかと言うとプラスの要素にもなりますよね。

しずちゃん それが芸人のいいとこやなと思います。基本的にマイナスと思っていたことがプラスになるから。ザ・プラン9のお~い!久馬さんに「平成の『The・かぼちゃワイン』(三浦みつる氏によるマンガ。大柄なヒロインが人気を集める)」ってたとえてもらって。自分の体が大きいことで、何もしてないのに笑いが起きたのが嬉しかったですね。

©杉山秀樹/文藝春秋

――でも、最近では容姿をイジるような笑いは良くないという風潮もあり、そういうネタがやりづらくなっているのではないでしょうか。

しずちゃん そうですね。そのせいで何も発言できなくなってしまうというのは、それはそれで私は嫌だなって思うんですよ。もちろん仕事中やからっていうのはありますけど。

 たとえば、先輩芸人が私の体が大きいことを何かにたとえたりしますけど、その人がカメラ回ってないときにそういうことを言うかっていうと、言わないですからね。

――そういう意味では、南海キャンディーズの漫才って時代を先取りしていたと思うんですよ。山里さんがしずちゃんに対してストレートに悪く言ったりはせずに、優しいツッコミをするじゃないですか。あの時点で「人を傷つけない笑い」をやっていたんじゃないでしょうか。