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チャーミーと出会って「モノには何かが宿ることがあるんだ」と信じるようになった

――田中さんがそこまで呪物にハマったきっかけは何だったのでしょうか。

田中 僕は普段、怪談師をしているんですよ。その関係で以前から「田中さん、怪談好きなら、この“いわくつきのモノ”をなんとかしてください」と呪物を預かることが多くて。ただ預かったところで、僕に超自然的な何かが起きるわけではなかったから、あまり興味を持たなかった。でも、あるモノを預かってから、身の回りで不思議なことが起きるようになって……。

 

――詳しく聞かせてください。

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田中 5年ほど前に参加した怪談ライブで、お客さんから、女の子の赤ちゃんの姿をしたボロボロの人形をもらったんです。「可愛がる人を次々に不幸にする人形」と言われていて、お世話していた人が体調を崩したり、事故にあったり。亡くなった方も何人かいると聞きました。

 でも、僕自身はこれまでどんな呪物を持ち帰っても影響がなかった。だからこのときも特に気にせず、袋に入れて人形を自宅に持って帰ったんです。そのとき日本に来ていた台風の名前と同じ「チャーミー」って愛称をつけて。

 ところが、持ち帰ったチャーミーを袋に入れたまま放置していたら、おかしなことが起きるようになって。部屋の電気が点滅を繰り返したり、なぜかパソコンのSiriが起動しっぱなしになって、操作できなくなったり。でも、チャーミーを袋から取り出すと、おかしなことが一気に止んだんですよね。

「可愛がる人を次々に不幸にする人形」と言われている呪物「チャーミー」 ©西邑泰和

――不思議な現象が起きたということですね。

田中 さらに、チャーミーを部屋に飾ってしばらく経ってから、口元に何かがついているのに気がついて。爪楊枝でほじくってみたら、なぜか米粒が挟まっていました。うちに来たばかりのときは、こんなのなかったはずなのに。「夜中、僕が寝静まったあとに、歩き回って食事してるんちゃうか……?」と想像して、ゾッとしましたね。

 一個一個は些細な出来事で、偶然が重なっただけかもしれません。でも、それをきっかけに「モノには何かが宿ることがあるんだ」と信じるようになりました。積極的に呪物を集めだしたのはそれからです。