昨年のGW号から「週刊文春」誌上で1年間の期間限定で1話から50話まで連載した漫画『竜馬がゆく』。総発行部数2500万部、司馬遼太郎の傑作歴史小説を鈴ノ木ユウさん(代表作:「コウノドリ」)がコミカライズし、話題となりました。
その後「文春オンライン」で連載を続けていましたが、読者からのリクエストに応える形で本日9月21日発売の「週刊文春」で連載復活!
そんな漫画版『竜馬がゆく』の魅力、それは…
「これは異色の歴史漫画!」
漫画『竜馬がゆく』を手に取ったとき、全く新しい“坂本龍馬”に出会った。そして、その竜馬に手を引かれるようにして、次々とページをめくってしまった……。
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“奇跡のコラボレーション”で生まれた全く新しい坂本龍馬
“坂本龍馬”の名を聞いたとき、あなたはどんな人物を想像するだろう。こと漫画においては『お~い!竜馬』(原作:武田鉄矢 / 漫画:小山ゆう)のイメージが先行してか、キリリとした太い眉にがっちりとした体格、仲間や夢のためならどんな労をも厭わない。どこか無骨で泥臭い姿を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。
そういった従来のイメージを覆す新しい坂本龍馬に出会える……それが漫画『竜馬がゆく』だ。原作はご存知、司馬遼太郎先生による同名タイトルの小説。歴史に忠実な小説というよりも、坂本龍馬をモデルにした青春小説であるため、名は龍馬ではなく“竜馬”となっている上、作中では少年漫画の主人公のごとく、圧倒的なかっこよさや華を感じさせるキャラクターとして書かれている。
司馬遼太郎先生が生み出した、ある種スーパーヒーローのようなキャラクター性を持ち合わせている竜馬。『竜馬がゆく』が坂本龍馬を国民的英雄にしたと言われているほどだが、そんな伝説的作品を『コウノドリ』の鈴ノ木ユウ先生の手によって初のコミカライズ。時代を超えた奇跡のコラボレーションが実現して生まれたのが、漫画『竜馬がゆく』だ。
不朽の名作歴史小説が“異色の歴史漫画”に
そんな本作では、思わず見惚れてしまうほど“艶やかな坂本龍馬”が幕末の世を縦横無尽に駆け抜ける。序盤では、つぶらな瞳に何でも許せてしまいそうなくしゃっとした笑顔を見せる竜馬。また、時折描かれる漫画らしいディフォルメ化された竜馬は何だか気が抜けるほどファニーで可愛らしい。かと思いきや、物語が進むにつれて見せるはっとするような色香、剣術を体得してから放つ艶やかで凄みのある佇まい……。鈴ノ木ユウ先生の写実的な筆致で描かれる竜馬は、今までのイメージと一味違うのはもちろん、原作で想像していた以上に耽美的な雰囲気が漂う。
もはや歴史人物がベースになっているという事実を忘れ、この魅力的な主人公の歩む道が気になって仕方がない。それほどまでに強烈な存在感を放つ竜馬。そんな彼の存在は、ともすれば読み進めるのが億劫になる複雑な幕末の物語をエンターテイメントとして魅せ、期待と高揚感で読者を引っ張っていく……。漫画『竜馬がゆく』は、そんな異色の歴史漫画としての側面を持っている。
復活回となる51話は坂本竜馬と桂小五郎、幕末の英雄同士の剣術大会決勝。勝った方が江戸一番の剣士の称号を得ることになるが、強さは互角。決着やいかに!?