子供たちのメタバースの“無法っぷり”
改めて『Roblox』について説明しよう。前述のように本作はあくまでプラットフォームであり、ユーザーや企業がバーチャル空間やアバターアイテムといったコンテンツを制作・配布・販売する場所である。
それらコンテンツはゲームのような形式をしているが、あくまで「エクスペリエンス」と呼ばれる。つまりおもしろいゲームを遊ぶというよりも、そこにいる人たちでコミュニケーションを取る行為が重視されているわけだ(もちろんひとり用の遊びも存在する)。
『Roblox』は基本プレイ無料であり、PC、スマホ・タブレット、家庭用ゲーム機で遊べるので非常に参加しやすいのもポイント。デイリーアクティブユーザー数は8890万人を記録しており、世界中の人とコミュニケーションが楽しめる。
13歳未満のユーザーが多く、全般的に低年齢層が多いのも特徴のひとつだ。ただし、『Roblox』自体は2006年からサービスが続いていることもあって、13歳以上のユーザーも増えているとのこと。
いわば「子供たちのメタバース」であり、親は保護者としてそこについて行くケースが多いと思われる。そして、その“無法っぷり”に疲れてしまうのだ。
どちらを向いてもパクリが目立ち…
『Roblox』の人気ゲームランキングを見てみると、2025年1月時点ではドラマ『イカゲーム』を模倣したものが数多く存在する。それらはあくまでファンゲームであり、公式のものではないようだ。
そして、アニメキャラクターを無許諾で使っているであろう作品もしばしばあるし、アバターにもあやしいものが多い。というか、十中八九アウトだろうと思えるものをよく見る。
筆者が『Roblox』をはじめてすぐ、「ちいかわ」のアバターアイテムが有料販売されているのを見つけた。思わず欲しくなったのだが、アバター名称の表記がちょっとおかしいし、そもそもオフィシャルでこういったものが出たと宣伝された形跡はない。
つまるところ、『Roblox』は右を見ても左を見てもパクリが目立つのである。はっきりいって、これには「親としては」お金を払いたくない。公式は2024年9月に知的財産権を侵害しているコンテンツを除外すると発表しているが、偽ちいかわは記事執筆時点でまだ生き残っており、せっせと働いて制作者と『Roblox』運営にお金を送っているのだ。