ただ、その一方で、変えようがない部分も、メイクやファッションで少しでもかわいくなるために頑張りたいとも思うんです。私が胸鎖乳突筋をどれだけほぐしてもウォニョン(韓国の女性アイドルグループ・IVEのメンバー)みたいな小顔にはなれないけど、それでも私は今日も、胸鎖乳突筋をほぐすでしょう(笑)。

 そんな感じで、「諦めながらも抗う」、その二足のわらじでやっていくことをオープンにして話しています。

――ご自身のコンプレックスとの折り合いがついていったきっかけは?

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綾瀬 まだまだ気になる部分はたくさんありますけど、病的なところから脱することができたのは、ほんまに身も蓋もないんですけど、やっぱり成長かなって。大人になるにつれて、自分は完璧でもなく、皆が振り返るほどかわいいわけでもないけど、でも、これでもいいじゃん、って思えるようになったというか。

 私は松阪牛とか神戸牛みたいなポテンシャルで生まれていない。スーパーで売られているそのへんの牛肉くらいのポテンシャルだけど、“調理法”で味を高めていくことにしたんです(笑)。

メイクなどを研究して、“垢抜け”に成功した綾瀬ちいさん(写真=本人提供)

「どんな顔になっても男性にはちやほやされない」“垢抜け”したあとに感じた自身の変化

――綾瀬さんは“調理法”として高校生の時からメイクの研究をはじめたそうですが、“垢抜け”したことで男の人の態度が変わったとか、そういうことはありますか。

綾瀬 そうだなあ……どんな顔になっても男性にはちやほやされないので(笑)。ただ、いまだに人に対して自信のない接し方をしてしまうし、相手の言っていることの方が正しいような気がしてしまうんですよね。

 遡ると、小学生の時、「コイツはニキビで顔ブツブツだから発言権なし!」みたいな感じの扱いだったことが影響してると思ってて。それが徐々に周りが大人になって、私を尊重してくれる人が増えたので、楽になりましたかね。

――過去の経験から、子どもが苦手になったりしませんでしたか。

綾瀬 私、教員免許を持ってるんですけど、免許を取る時も絶対、小学校だけは取りたくなくて、中高の教員免許を取りました(笑)。今はもうないですけど、昔は子ども相手にも目ひんむいてキレてましたね(笑)。「なんでそんなこと言うのっ!」みたいな。

――そもそも、メイク動画などを発信するYouTuberになったきっかけは?

綾瀬 私、けっこう大手の会社さんから内定をもらってたんですけど、じんましんが出るくらい社風が合わなすぎて、家から一歩も出られなくなったことがきっかけなんです。

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