サイエンスライターの佐藤健太郎氏が世の中に存在する様々な「数字」のヒミツを分析します。
今回の数字:台風19号で氾濫した河川の数=253
去る10月12日に上陸した台風19号は、主に豪雨によって日本各地に甚大な被害をもたらした。ここ数年、日本各地を襲ってきた水害にたまたま無縁であった首都圏も、今回はついに直撃を受けた。あらゆる手段を尽くして、かろうじて壊滅的な被害は免れたものの、少しでも条件が違っていれば遥かに甚大な人的・経済的損害が発生していたことは想像に難くない。たとえば、台風の通過時間帯によっては、記録的な高潮で東京東部が全面的に水没し、地下鉄などが長期間麻痺するといった事態も、十分にありえただろう。
日本の大都市の多くは、大河の河口に築かれている。すなわち、大雨が降ればその雨水が集約され、激流となって押し寄せる場所に、日本の人口と資産、政治経済の中枢機能の大半が置かれている――このごく当たり前かつ恐ろしい事実を、台風19号は改めて我々に突きつけた。日本人の防災意識に関して、歴史的転換点となる台風ではなかったかと思う。
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source : 文藝春秋 2019年12月号