村山富市、伊藤隆敏、ダイアン・キートン、菅原孝、ロバート・レッドフォード

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偉大な業績を残し、世を去った5名の人生を振り返る追悼コラム

★村山富市

 元首相の村山富市(むらやまとみいち)は、社会党委員長でありながら、自民党を中心とする連立政権の総理大臣を務めた。

村山富市 Ⓒ文藝春秋

 1994(平成6)年6月、自民党、社会党、新党さきがけは、村山を総理大臣に選出した。自社が「野合」し、村山が自衛隊違憲論を放棄したことに国民は衝撃を受けた。最も驚いたのは村山本人で「私が首相とは誰が予想しただろうか」と後に述べている。

 24(大正13)年、大分市浜町(現・住吉町)に生まれる。祖父は網元で父は鮮魚の仲買業を営んでいた。11人きょうだいの六男。少年のころは大人しい性格で「トンちゃん」と呼ばれる。勉強はあまりしなかったが、本を読むのは好きだったという。

 高等小学校を卒業すると上京して、町工場や印刷会社で働きながら、東京市立商業学校の夜間部で学び、さらに明治大学専門部に通う。「私は学ぶことが嬉しく苦しいとは感じていなかった」。44(昭和19)年に召集され陸軍に入隊し、翌年、熊本で敗戦を迎えた。

 戦後、復学して明治大学を卒業し、故郷に帰って地元の漁村民主化運動に加わる。「この民主化運動こそ、私の政治活動の原点といえた」。47年に社会党に入党して左派に属した。27歳で大分市議選に出馬して落選したが、4年後に初当選している。

 55年に分裂していた社会党が統一され、自由党と民主党が合同し自由民主党となり、「55年体制」がスタートする。村山は市議から県議となり、72年の衆議院選に出馬して当選した。以降、社会労働委員会や予算委員会の「舞台回し」で存在感を示す。

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source : 文藝春秋 2025年12月号

genre : ニュース 社会